いまだ「マンガは読書と認めない」という考えが根強い日本に対して、じつは「英国」では「コミック」読書にも大きな価値が認められていた…!
リスニングは「能動的で創造的なスキル」
また、リスニングは「受動的で消極的な行動」として捉えられがちだが、むしろ「能動的で創造的なスキル」として再定義すべきだと同報告書は主張する。学校のカリキュラムでも、静かに座って指示を聞くのみならず、批判的思考、想像力、共感力を伴うリスニング教育の構築を要求している。 46.5%の子どもが「音声コンテンツは主題の理解に役立つ」と回答しており、とくにやはり文字の読書に困難を感じる子どもたちにとって、聴くことが代替的な学習方法となっていることが示唆されている。 また同様に「リラックスや不安の軽減に役立つ」の回答者も45.8%おり、コミックの読書同様、物語に集中することは緊張を緩和する効果が期待されている。 日本ではUKとは異なり、公的機関や当該分野の事業者ではない第三者機関によるコミック読書や音声コンテンツに関する同様の調査、とくに経年で比較できる調査がほとんど存在しない。 したがって日本は比べてどうなのかは不明である。 しかし学校図書館はメタメタなUKのほうが、日本よりもはるかにコミックや音声を通じた「読書」に対して好意的であり、価値を認めているように思われる(だからこそこうして調査もされている)。 字を読むのが苦手な子、絵や音をともなったほうが深く理解できる子も日本でも当然いるのだから、それも踏まえて日本でもコミックや音声読書への推進、支援が増えることが望まれる。
飯田 一史(ライター)