アサヒとキリンの飲料2社が発注プロセスを最適化、HacobuのPSI管理サービスで
2025年以降は企業間最適を視野に取り組みを拡大
MOVO PSIの開発は、Hacobuとキリンビバレッジが2021年に開始した、物流課題解決に向けた「輸送量平準化 共同プロジェクト」が起点になっている。キリンビバレッジ 執行役員 SCM部長の掛林正人氏は「これまでの個社/個別の企業間での物流取り組みによる部分最適から抜け出すためには、メーカー、卸売、流通の各企業間をデータでつなぐことが必要と考え、Hacobuとともに検討を進めてきた」と述べる。 アサヒ飲料は2023年から両社の共同プロジェクトに参加している。アサヒ飲料 執行役員 SCM本部長の和田博文氏は「当社ではお客さままで全てのステークホルダーを“笑顔”でつなげるスマイルサプライチェーンの実現を目指している。MOVO PSIは、社内間における製品移動での車両平準化や、製品の転送計画データの可視化などで効果を期待している」と説明する。 2021年のアイデア構想からコンセプト検証を経て、2023年にはMOVO PSIのβ版が完成。キリンビバレッジは2023年10~11月の2カ月間、このβ版をVMI拠点に適用したところ、輸送費で9.1%、在庫日数で13.2%の削減効果が得られた。また、アサヒ飲料は、2024年3~4月の2カ月間でMOVO PSIの実証実験を行い、輸送費で6.2%、在庫日数で6.5%の削減効果を得ている。 3社による共同プロジェクトは、2024年を企業内での平準化ツールとして活用による企業最適を行う導入期と想定している。時期は明確化しなかったものの、2025年以降にMOVO PSIの導入企業が増えるのに合わせて、企業間の連携による企業間最適でさらなる効果拡大を目指したい考えだ。
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