【DWCS】空道世界王者・岩﨑大河がコンテンダーシリーズで、ペレイラに勝った元GLORY戦士と対戦「ワンチャンスを掴む」
2024年9月10日(日本時間11日)『Dana White's Contender Series 2024』(DWCS)の第5週に、空道王者でMMA9勝1敗の岩﨑大河(空道大道塾/パラエストラ東京)が出場することが分かった。 UFC2に参戦した市原海樹の大道塾時代の戦い ミドル級(83.9kg)の日本人参戦は、9月17日(日本時間18日)の第6週に出場するPANCRASE同級王者・内藤由良(リバーサルジム横浜グランドスラム)に続く2人目。岩﨑は元GLORY戦士でMMA7勝3敗のユースリ・ベルガウイ(フランス)と対戦する。ベルガウイはGLORYで現UFC王者のアレックス・ペレイラに勝利したことがあり、現在ペレイラのトレーニングパートナーでもある。 UFC登竜門大会であるDWCS出場を決めた岩﨑は、本誌の取材に、「ワンチャンスでもしっかり掴むために、これまで岩﨑大河という選手のキャリアを作ってきた」と意気込みを語った。 DWCSは、『ROAD TO UFC』と並び、「UFCとの契約を勝ち取るチャンスを得るための特別なプラットフォーム」。RTUとは異なり、基本ワンマッチでUFCにその存在・強さをアピールする場だ。 今シーズンでも、北米LFAや中国JCK、UAEW、BRAVE CF、Cage Warriors、PANCRASEなど世界各国の王者クラスが、このコンテンダーズシリーズの出場権を得て、さらに勝利とインパクトを残した選手が、UFCとの契約を獲得できる“狭き門”を争っている。 岩﨑は幼い頃から大道塾で空道を学び、『北斗旗全日本空道体力別選手権大会』では2017・2018・2022年260+クラス優勝、2022年11月に開催された『2022アジア空道選抜選手権大会』の270+クラスでも優勝し、同大会のMVPに輝いている。 MMAには、2020年6月から挑戦。PANCRASE、修斗、TTF CHALLENGE、INOKI BOM-BA-YEなどに出場して8連勝をマークも、2022年12月の前戦で元Bellator世界ミドル級王者のラファエル・ロバトJr(米国)と対戦し、1Rにキムラロックを極められ、初黒星を喫した。 2023年5月に『北斗旗空道第6回世界選手権大会』に出場すると、270+クラスで優勝。2005年(第2回)大会以来の日本人による最重量級制覇を達成した。9月にはMMAの再起戦を修斗で行い、キム・ウンスに判定勝ちしている。 岩﨑と対戦するユースリ・ベルガウイは、GLORY時代に現UFC世界ライトヘビー級&元ミドル級王者のアレックス・ペレイラと3度対戦し、1勝2敗。2017年4月の初戦で“ポーアタン”ペレイラに判定5-0で勝利し、トーナメント優勝。2017年12月と2018年7月に2度、ペレイラが持つGLORY世界ミドル級王座に挑戦も、KO・TKO負けで戴冠ならず。また、イズラエル・アデサニヤには2度判定負けしている。 2021年1月からキックと並行してMMAでもプロデビュー。UAE Warriorsを経て、2023年8月のコンテンダーシリーズに初参戦。アレックス・ペレイラの元スパーリング・パートナーのマルコ・トゥーリオ(※現在はシュートボクセで練習)のMMAボクシングからのテイクダウンに下になり判定負け。このときは両者ともにUFCとの契約はならず、ともに今シーズンの『Contender Series 2024』に出場の機会を得ている(※トゥーリオは8月28日の第3週でHXMMAミドル級暫定王者のマチュー・リトーと対戦)。 身長196cm、リーチ201cmのベルガウイは、ペレイラとの第1戦では、オーソからの左の蹴り、パンチを当て、右の鋭いテンカオも見せていたが、コンテンダーズ後の『Levels Fight League』では、テイクダウンを切り、尻を着かされても立ち上がり。さらに相手の組みにヒザを突いてKO勝ちも収めている。 岩﨑とベルガウイはともにプロMMA10戦。ともに打撃競技出身でMMA開始も岩﨑が7カ月早いものの、ほぼ同時期にプロMMA初戦に臨んでいる。ポアタンよりも高身長のベルガウイを相手に、身長185cmの岩﨑は左右どちらでも構えることができるが、ベルガウイも左の攻撃は得意とするところ。 MMAキャリアは似通っているものの、空道の岩﨑の方が早くオープンフィンガーを着けて戦っている。小さなグローブでの突き、そして空道の蹴り、MMAの組みでいかに元GLORYトーナメント王者を崩すか。 2024年7月7日の七夕の日に、全日本空道連盟・大道塾所属でキックボクシングでも活躍する大倉萌との入籍を発表したばかり。 DWCSで、岩﨑は悲願のUFCとの契約を掴み取れるか。 ◆いつ来ても良いように準備してきた ──今回のコンテンダーシリーズ(DWCS)出場が決まった経緯を教えてください。 「ABEMA様の企画である『海外武者修行プロジェクト』で格闘技留学をさせていただき、そこでできた繋がりから、マネジメント会社を紹介してもらい、そこからコンテンダーシリーズに推してもらって、諦めかけていたのですが、偶然欠場者(アンヴァルベク・ダニヤルベコフ)が出たので、そこに入り込めました」 ──対戦相手のユスリ・ベルガルイ選手は元GLORYファイターでMMAでもコンテンダーシリーズ2年連続出場を決めた選手です。どんな印象を持っていますか。 「キックボクシングの世界ではトップファイターで、現UFCライトヘビー王者のアレックス・ペレイラにも勝っており、とにかくストライキングが強い印象です」 ──一発勝負のDWCSに臨む意気込みを。 「ワンチャンスを掴むために、これまで岩﨑大河という選手のキャリアを作ってきたつもりです。チャンスがいつ来ても良いように準備してきました。自分の周りからは色んな声が出てきそうですが、この試合には今まで作り上げた岩﨑大河として、自分にとって最高の結果を残せるよう頑張ります!」