座っていてOK?接客バイトの“立ちっぱなし問題”解消を目指す「イス」が登場…従業員と雇用主のギャップから見えた実態
きっかけは「海外の座ったままレジ業務」
――「座ってイイッス PROJECT」はどんなきっかけで始まった? きっかけは協力会社の担当者が海外で従業員の方がレジ業務を座ったまま対応されていたのを見かけたことでした。日本では、レジ業務も立ったまま行われるのが当たり前の価値観としてありますが、その国と同様に「座って働いても問題ない」という考えが広がれば、少しでも働きやすい世の中になるのではないかと考えています。 働く上での新しい価値観を世の中に広げることは、当社のパーパス「一人ひとりの可能性と向き合い、未来が見える世界をつくる」の意味する、“企業活動であらゆる人の可能性を広げる”いう考えにも合致することから、本取り組みを共にスタートさせることになりました。 今回のプロジェクトをきっかけとして接客中に座ること以外にも、少しでも働きやすい世の中を作っていくため、働き手側と雇用主側の意見交換が活発になること期待しています。 マイナビバイト特設サイトでも「バイトでのお悩みやお困り事」を収集し、新たなプロジェクト検討の参考にすることで、今後も未来へ繋がる働く価値観のアップデートを推進したいと考えております。 ――なぜ今あるイスではなく「マイナビバイトチェア」を開発した? 勿論、働きやすければどのようなイスでも良いと思っていますが、実際にレジ業務をされている方を観察させていただいたり、企業様とお話を進めていく中で、最初の導入ハードルを下げるため下記3点を意識しました。 ・立ったり座ったりしやすい ・軽くて動かしやすく収納しやすい ・座っていることが目立ちにくい 従業員の方はレジ業務以外もされているので、店舗の中では常に動きまわる必要があり、かつ店舗内のスペースにも限りがあることなどから、イスを置いてしまうと業務の妨げになってしまう可能性もありました。そのため、「立ったり座ったりしやすさ」と「軽くて動かしやすい、収納しやすさ」を重視したデザイン設計にしています。 また、働き手側も座る選択肢があったとしても、今はまだ、お客様の目が気になる方も多いと思いますので、姿勢もよく見え、「座っていることが目立ちにくい」つくりを意識しました。 ――「マイナビバイトチェア」の特徴は?開発で苦労した点は? 業務をスムーズに行うため、「軽さ」と「動かしやすさ」を重視して開発いたしましたが、実際にサンプル品に腰をかけてみると、軽すぎて不安定になってしまったりと、バランスをのとれたデザインにするのがとても難しかったです。 ――「マイナビバイトチェア」を一部無償で配布し、試験導入した狙いは? 世論では既に「座っても問題ないのでは?」という雰囲気はありましたが、お客様の反応が気になること以外にも導入に際しての障害がいくつかあると考えていました。 イスを置くことで業務の導線上邪魔になってしまう可能性があることや従業員の方の心理的ハードル等です。そのため、今回の試験導入で、座って働くことのデメリットも把握し、企業様と共に改善案を模索していければと考えています。 また、プロジェクト動画の公開などを通した「座って働いてもいい」という新たな考え方を発信することにより、世間の声を収集し、イスの設置を考えていなかった企業様にもきっかけを提供できればと思っています。