新型スズキ・フロンクスは価格以上の価値がある! 最新コンパクトSUVの意外な実力とは
スズキの新型「フロンクス」に小川フミオが乗った! 想像以上の完成度をリポートする。 【写真を見る】新型フロンクスの実車を徹底チェック(58枚)
存在感のあるルックス
コレはお買い得! と、思えるSUVが出た。スズキが2024年10月16日に発売した新型フロンクスだ。ちょっとアグレッシブな雰囲気のフロントマスク、張り出し感のあるフェンダー、それにクーペライクなキャビン。若々しいけれど、家族で使える。しかもよく走るのだ。 フロンクスは、全長3995mmの比較的コンパクトなボディを、2520mmのホイールベースをもつシャシーに載せている。パワーユニットは1460ccの4気筒ガソリンエンジンを使ったマイルドハイブリッドだ。燃費はリッターあたり19.0kmという。 存在感のあるルックスが、フロンクスのもうひとつの特徴。「ダブルフェンダー」と名付けたユニークな形状のフロントフェンダーの先端にLED3灯式のヘッドランプユニットが組み込まれている。その上に並ぶ角灯は、ターンシグナルの機能も兼ねそなえたデイタイムラニングランプだ。 スポーティな雰囲気の見かけをもつフロンクス。走りはというと、全方位的によく出来ている。74kWの最高出力と135Nmの最大トルクをもつエンジンには、トルク増強用のモーターが備わることもあり、発進時は、軽くアクセルペダルを踏み込むだけで、出足はスムーズ。 市街地での加速もよくて、すいすいという印象で走る。ステアリングフィールはスポーティではないけれど、中立付近での応答性もよく、設定に妙に感心。操縦性にも優れている。 市街地での使い勝手という点では、最小回転半径が4.8mに抑えられているのも、開発者の自慢。実際、狭い場所での使い勝手では卓越している。 開発者によると、ステアリングシステムのハードウェアを突き詰めていき、最終的に現在の195/60R16サイズのタイヤが、小さな回転半径を実現するためのベストマッチとなったという。 昨今、大型SUVなどでは、小回りを効かせるために、コンピューターで制御した電動の後輪操舵システムがマストになっている感があるが、スズキの技術者の頑張りに拍手を送りたい。