岡崎友紀 芸能界のインタビュー取材は<言わせたい答え>が決まっている。若い頃にはマスコミから「書くぞ!」と脅されて金銭の要求まで…
◆注意を払っても無駄なこと 多くの取材を受けるようになって、ますます言葉に細心の注意を払うようになっていきました。 でも、注意を払っても無駄なこともあります。 だって一言も言っていないことを平気で書くし、録画映像なんて、編集でどんなニュアンスにでも作り変えられてしまいます。 そういえば私の若い頃には、いわゆる「トップ屋」と呼ばれる連中がいました。 元々はどこかの雑誌かスポーツ誌にいた人間がフリーになって、「特ダネ」として記事を売って商売にしているのです。
◆「正義」でも「報道」でもない 私のことも、どうして父親がいないのかとか、氏素性を論(あげつら)い、「書くぞ!」と脅かされたり、「書かれたくないならカネで解決してやる」と、金銭の要求をされたりしたようです。 母やマネージャーがその対応をしていて、私には伝わらないようにと気を遣ってはいましたが、テレビ局などにつきまとってくるので、気配でわかりましたね。 戦争のためにあらゆることを犠牲にしなければならず、やっと生き延びてがんばってきた人に、娘が生まれたことも芸能人にしたことも罪だと言わんばかりに脅すなんて、こんなの「正義」でも「報道」でもありません。 子供の頃にジャーナリストになりたかったけど、こんなマスコミの連中を見たら、つくづくならなくてよかったと思いました。 ※本稿は、『なんたって70歳! ― だから笑顔で生きる』(興陽館)の一部を再編集したものです。
岡崎友紀
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