田中将大と巨人・坂本勇人…“同級生バッテリー”の再会ドラマはあるのか
【赤ペン! 赤坂英一】楽天から退団した田中将大(36)が、ひとりの自由契約選手となる。 2013年に24勝無敗で楽天の優勝と日本一に貢献し、14年からヤンキースで6年連続2桁勝利をマーク。名将・野村克也氏に「マー君、神の子、不思議な子」とまで呼ばれた大投手はこれからどこへ行くのか。 日米通算200勝まであと3勝。節目の大記録を達成する過程で、もう一度見たいのが同級生の巨人・坂本勇人(35)とのライバル対決。坂本も最近、限界説をささやかれるようになった。が、だからこそ、マー君との久々の勝負で往年の打棒を取り戻してほしい。 坂本は、田中とともに兵庫県伊丹市で生まれ育った間柄。小、中学時代、昆陽里(こやのさと)タイガースで一緒に野球をやっていたことはファンにもよく知られている。当時は、坂本がエース、田中が捕手兼4番でバッテリーを組み、2人してチームを引っ張った。 坂本によれば「そのころから将大はすごかった。打てば遠くまで飛ばせるし、投げればすごく速い球がいく」。高校に進むと、坂本が光星学院の4番、田中が駒大苫小牧のエースとして対決。打席から田中を見た坂本は「(体が)でかくなったなあと思いました。球速は140キロ台後半、スライダーのキレもすごかった」と舌を巻いている。 どちらもドラフト1位で07年に入団したプロでの対戦成績は、田中がメジャーに行くまでの7年間で坂本の18打数5安打。その印象を田中に聞くたび「今度坂本と当たったら絶対抑えますから」と強調していた。 私が最も印象に残っているのは10年6月、東京ドームの交流戦で、坂本が初回の先頭打者で田中の初球をたたいた一打。高々と舞い上がった飛球が天井を直撃し、ドームの特別ルールで二塁打となった。その後、阿部(現巨人監督)に先制3ランを浴びてしまったのだ。 この試合、楽天打線が逆転してくれたおかげで田中は勝ち投手となっている。が、田中自身は、坂本に打たれたことが悔しくてならなかった。 それから2~3年後、坂本に投げた球種を田中に聞いたら、不機嫌そうに「覚えてないです」とボソリ。「あんなの完全に普通のフライですよ」と、後々までいまいましそうに語っていたものだ。 そんな田中と坂本が再戦すれば興味深い対決になるはず。万が一、巨人が田中を獲得し、坂本が中学以来のチームメートになったら、それはそれで面白い同級生ドラマになるだろうが。
赤坂英一