膨大なタスクのせいで「優先順位」が見えなくなるとき、その混乱から逃れる「唯一の方法」…トヨタ式の『ハイブリッド仕事術』に学ぶ
多くの仕事をこなしていると、大量の仕事に追われたり、数字の積み上げを求められ「とにかくやるしかない」と目の前のタスクをこなすだけに終始してしまいがちです。成果や成長実感を上げることことをついつい忘れがちになってしまうことはありませんか。 【マンガ】5200万円を相続した家族が青ざめた…税務署からの突然の“お知らせ” そんな、仕事を「こなしてはいる」が「思うような成果が得られない」ときに、その問題を明確にし、真の原因を明らかにするコツやポイントを、森琢也著『トヨタで学んだハイブリッド仕事術』(青春出版社)より一部抜粋・編集してお伝えします。
「引き算思考」で真の問題を明確にする
企業研修などで、よく寄せられる相談の一つに次のようなものがあります。 「頑張っているのに、なかなか営業成績が伸びません。現状を打破しようにも、いったい自分のやり方のどこに問題があるのかがわかりません。どうしたらいいのでしょうか」 事がなんとなくうまくいかない状態にあるのに「どこに問題があるのか」がわからないと悩んでいるビジネスパーソンは意外に多いでしょう。 こうしたケースでは、「どこがマズイのだろう」とダイレクトにうまくいかない理由(問題点)を探そうとしても、多くの場合は真の問題点にはたどり着けません。 ■まずは理想像をイメージする まずは「本来どうあるのがいいのか」という理想状態をできるだけ具体的に思い浮かべてみましょう。 例えば、理想像を「お客様とちゃんと話をしている姿」とアバウトにイメージするのではなく、「ちゃんと話すとはどういう状態なのか」と一歩、踏み込んで考えてみることです。 この理想状態と問題を抱えているいまの状態を比べると、「ここが足りなかったのか」「この要素が欠落しているな」といった問題点が見えてきます。 理想状態から現状を「引き算」することで導き出される「差(ギャップ)」こそ、問題点なのです。 ■4ステップの「引き算思考」で問題点をあぶり出す 具体的な方法を示します。ここでは、お客様との商談がなかなかうまくいかないケースを想定し、「引き算思考」の4ステップの実践法を説明します。あなたも、商談が苦手なビジネスパーソンになったつもりで、このステップに沿って具体的に紙に書き出すなどして、「問題点のあぶり出し」をやってみてください。 …つづく「仕事で繰り返される「不毛なやりとり」を圧倒的に減らす、トヨタ式《もっとも具体的》なスゴい方法」では、トヨタ式のプロセスマッピングの作り方を明かします。
森 琢也(中小企業診断士)