馬場貴也「獲る―。その二文字だけ」黄金のヘルメットへ決意表明【住之江ボートSG「第39回グランプリ」】
◇18日 SG「第39回グランプリ」2日目(大阪府・住之江ボート) 誰よりも端的な決意表明だった。黄金のヘルメットへの思いを問われた馬場貴也(40)=滋賀=は淡々と、それでいて一言一句をかみ締めるように、その胸中をこう表現した。 「獲る―。その二文字だけです」 手にした56号機は、抽選前から欲していたパワー機の一つ。この3日間でギアケース、ペラを中心に綿密な調整を施してきた。周囲との比較では「そこまで変わることはない」としながらも「ストレートに関しては雰囲気は良さそう。気持ち余裕があるような感じはした」と手応えは上々。「あとは乗り心地とターン回りをもう少ししっかりさせたい」と、憂いを全て消し去って初戦に臨む構えだ。 トライアル2nd初戦で3年連続で纏(まと)う白い勝負服はボート界第一人者の証し。過去2年はその初戦で悪夢を見たが、表情に気後れはみじんもない。 「年を重ねるごとに強くなってると思っています。グランプリ獲りたいという気持ちがさらに強くなっている。今年こそ獲りたい」 あの頃の馬場はもういない。勝ちにきた。獲りにきた。これまで届きそうで届かなかった黄金のヘルメット。その輪郭は、今までのどの大会よりも鮮明だ。
中日スポーツ