日産が燃費・排ガス検査で不正(全文1)測定値の書き換えと試験環境の逸脱
判明した事実について概略説明
まず、判明した事実について概略説明をいたします。排気の抜取測定設備の端末内のハードディスク、その他の記録媒体に保存されていた合計2187台のログデータを精査したところ、日産自動車九州以外の全車両5工場において次のような事象を確認いたしました。まずは試験環境を逸脱して測定を行った行為であります。排出ガス、燃費の測定試験を行う際に道路運送車両の保安基準の細目で定められている試験環境の条件とは異なる条件で測定したデータを、有効な測定結果として取り扱ったものが合計で690台確認されました。次に排出ガス、燃費、測定設備の操作画面上で排気成分の測定値および試験室内の乾球、湿球温度の測定値の一部を書き換え検査報告書を作成したものが、合計913台確認されました。 こうした事案の発見を受けて、排出ガス、燃費の保安基準に対する適合性、および諸元値の検証をあらためて行いました。これにつきましては、後ほど本田のほうから詳しくご説明いたしますが、当社の社内管理基準は法規制値よりも厳しい値で設定をしており、信頼性の認められるログデータの再検証を実施した結果、GT-Rを除き全ての車種において保安基準への適合性に加えて、型式としての排出ガスの平均値が諸元値を担保できていることを確認しました。 【連載】日産が燃費・排ガス検査で不正 全文2へ続く