“7秒差”でパリ五輪をつかんだ一山麻緒 夫・鈴木健吾「パリに向けて一緒に頑張っていこう」の言葉が支えに
◇陸上マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)〈15日、国立競技場発着〉 「パリの切符をとれてホッとした気持ちです」 【画像】MGC 鈴木優花が終盤に鮮やか逆転V 2位の一山麻緒とともにパリ内定 2024年パリ五輪のマラソン代表内定をかけた代表選考レースMGCが15日に行われ、女子では2位に入った一山麻緒選手が2大会連続の五輪代表をつかみ、安どの言葉を残しました。 序盤から先頭集団で走り23キロ過ぎにペースアップ。「一切時計は見ていなくて自分のリズムでいこうとしていました」と33キロからは独走します。しかし、優勝した鈴木優花選手に38キロ過ぎに追い抜かれ、ゴール手前では「あまり差がないとわかっていたのでドキドキしながら走っていた」と3位の細田あい選手の猛追を受けましたが、最後はわずか7秒差で逃げ切りました。 この道のりは簡単ではありませんでした。東京五輪では6位に入賞しましたが、昨年の世界選手権代表を逃し、自分のしたい走りができず悩んだ1年だったといいます。このレースに立つまでも「本当にパリとれるのかな」とスタートラインに立ちました。 それでも支えとなったのは2021年に結婚した男子マラソンの日本記録保持者・鈴木健吾選手の存在。男子のMGCにも出場した鈴木選手は12キロ付近で途中棄権しましたが、一山選手のゴールでは声援を送る様子がみられました。 その存在を尋ねられた一山選手は「この、特に2年間は私が走ることに対して、もういいかなって思ったことも増えて、もう、ちょっと走りたくないなと思うことが増えたときに彼がいてくれて、『一緒に頑張っていきたい』『パリに向けて一緒に頑張っていこう』という声かけ、支えがきょうまであって、走っているときも最後まで夫婦でパリに行きたいっていう思いで走りました」と涙ぐみ、言葉をつまらせながら思いを明かしていました。 今大会で男女3人中2人が内定。残す1枠は12月以降の該当する大会で設定タイムを超えた最も速い選手に代表権が与えられ、設定タイムが超えられない場合はMGC3位の選手が選出されます。