「大接戦」の予想がなぜ“早期決着”に?トランプ大統領が返り咲き 世界経済や日本への影響は?【news23】
渡辺靖 慶應大学教授: 私も驚きました。トランプ氏が強いというよりは、ハリス氏が弱かったように思います。 バイデン政権の今の支持率は4割で、有権者の6割以上が、アメリカは悪い方向に行っていると言っています。やはり全体として政権与党に対しての逆風が吹いていたのだと思いますし、ハリス氏は当然、副大統領として連帯責任を問われる立場にありました。 バイデン氏から選手交代した当初は期待や刷新感もありましたが、「いったい何をするのか」「バイデン氏とどう違うのか」「なぜこれまでやってこなかったのか」と問われたとき、ハリス氏は上手く答えられていなかったと思います。やはり予備選を経験していないので、どう対応すればいいか、わからないところがあったのではないでしょうか。 ■“隠れハリス”はいなかった? トランプ氏の経済対策が刺さったか 藤森祥平キャスター: 一方でトランプ氏は、大統領経験者としては史上初めて刑事事件で起訴されました。しかも、4つの裁判を抱えています。 それでも“隠れトランプ”が多かったのか、“隠れハリス”はいなかったのか、いかがでしょうか。 樫元照幸 ワシントン支局長: “隠れトランプ嫌い”がどれだけ伸びるかと思っていたのですが、伸びなかったということです。 たとえば南部の保守的な地域には、家族全員がトランプ氏を支持している一方で、女性の権利を大事にするハリス氏を支持したい“隠れハリス”の女性がいるのではないかということで、民主党は働きかけ、CMを打つなどしてきたわけですが、結果に影響を与えるような数に至りませんでした。 副大統領としてそれほど人気がないハリス氏を担ぎ出すことになりましたが、刷新感を演出しただけで勝てるほど、アメリカ大統領選挙は甘くないということです。 小川キャスター: ハリス氏が候補となった当初は、初の女性で、しかも白人ではない大統領が誕生するのではないかという高揚感もあったように思います。