工賃をケチって自分で車の「インチアップ」をしたら不正改造に!? 自己カスタムはかえって「コスパ悪い」って本当? 注意点を解説
愛車を自分好みにカスタムすると、より愛着がわくものです。カスタムは多種多様ですが、外観のカスタムにより他者からの評価も変わってきます。外観のカスタムで気軽にできるものと言えばタイヤのカスタムで、特にホイールの交換やサイズを大きくするインチアップなどがポピュラーです。 ただ、タイヤ交換などをお店に頼むと工賃がかかりますし、ネットで購入した方が安価でカスタムできるケースもあります。しかし、正しい知識がないままカスタムをすると、違反行為になる可能性があるので要注意です。本記事では、タイヤの自己カスタムに関する注意点を解説します。
タイヤに関する保安基準
日本では定期的に車検があり、乗用車の場合は新車登録から3年で初回の車検、以降は2年ごとに車検を受ける義務があります。車検の検査基準を保安基準と呼びますが、その内容について、ここではタイヤに関して気をつけたい規定を3つ紹介します。 ■タイヤやホイールのはみ出しに関する規定 タイヤをインチアップするとホイールとタイヤのサイズが大きくなり、タイヤの幅も広くなる傾向にあります。 その際、ホイールがボディから規定値以上はみ出してしまうと車検に通りません。タイヤ部分のみのはみ出しが10ミリメートル未満であれば保安基準内に収まりますが、「原則的にタイヤははみ出してはいけない」と覚えておくと良いでしょう。 ■タイヤの外径に関する規定 インチアップをすることでホイールの直径が大きくなります。装着するタイヤのサイズによっては、純正装着のタイヤと比べて外径(タイヤの直径)が変わってしまうことも起こり得るため注意が必要です。 タイヤの外径が純正状態より大きくなっても小さくなっても、スピードメーターに表示される速度と実際に出ている速度に誤差が生じてしまいます。外径が大きくなると実際よりもメーター表示が遅く、逆に小さくなるとメーター表示の方が実際の速度よりも早くなってしまうのです。 一般的にインチアップをした場合、外径誤差の許容範囲はマイナス3%、プラス2%と言われているため、その範囲で収まるようにタイヤサイズを検討する必要があります。 ■タイヤの耐荷重に関する規定 タイヤには耐荷重があり、負荷指数を表すロードインデックス(LI)がタイヤに表記されています。インチアップをすることでLI指数が下がり、車の重量を支えられなくなると車検に合格しないだけでなく、走行中にタイヤが破裂してしまうなどの危険性が高まります。必ず純正装着タイヤと同等か、それ以上のLIのタイヤを選ぶようにしましょう。