はがきが1枚22円も値上げ…それでも「年賀状」を出す人が4割!その理由には温度差ある回答が
⚫︎3:生存確認のため 前述の「年賀状でしかつながりがない」という理由にも通じていますが、高齢世代を中心に年賀状が生存確認の手段になっているという人が多くいました。 「年賀状で無事を確認する方々が少なからずいます」(59歳/女性/主婦) 「年賀状でだけしか繋がっていない人たちに、生存確認の意味も込めて」(43歳/女性/主婦) 「毎年出しているのに、急に出さなくなると受け取る側が心配する」(66歳/男性/その他) 「生きている証の連絡手段。元気で暮らしてますの報告もかねて毎年やっている」(67歳/男性/その他) 年齢を重ねると喪中はがきではじめて訃報を知ったり、知らずに年賀状を出して寒中見舞いにより知るといったことも多くあります。そう考えるとやはり、年賀状文化は失くしてはいけないのかもしれません。 ⚫︎4:本当はやめたいけれど、付き合いがあるのでやめられない 本当はやめたいけれど、仕事関連や親戚といったつながりがある人との年賀状は、なかなかやめられない。やめることで相手に嫌な気持ちにさせる可能性が少しでもあるなら、とりあえず続ける。そんな意見もいくつかありました。 「辞めたいけど、義理や恩義がある人達がいて、メールでは済ませられないので……」(55歳/女性/主婦) 「仕事関係では決まった相手と毎年やりとりしているので、やめたくてもやめられない」(55歳/男性/総務・人事・事務) 「旦那の職場の方には出さないといけないからやめられない」(52歳/女性/主婦) 「出さないと親戚のジジババがうるさい」(47歳/女性/主婦) 特に目上の人に対しては、こちらから年賀状を出すのをやめにくいものです。ただ先方ももしかしたら「やめたくてもやめられない」と思っている可能性も。どちらが言い出すか、難しい問題です。 ⚫︎5:出す枚数が少ないので、負担が少ないため 出す枚数が多ければ多いほど年賀はがきの値上がりは痛い出費となります。しかし、そもそも出す枚数が少ない人は、それほど大きな出費とはならないようです。さらに書く手間も少なくて済むので、やめるという選択にならないようです。 「あまり枚数は出さないので、変わらず出したいです」(40歳/女性/その他) 「友達と親戚にしか出さない為、金額があまりかからない」(41歳/女性/主婦) 「関東に行った際に会って話したい友達1名にのみに書いています。出す理由は接点を持ち続けていたいからです」(45歳/女性/その他) 「1人だけしか出さないので、やめる理由がありません」(44歳/男性/学生・フリーター) 1枚だけとはいえ、そのためだけに年賀状を用意してポストに投函するのは、なかなかの手間だと思います。それでも年賀状を書くのは、その人にとってはとても大切な存在なのでしょう。 それでもなんとなく年賀状がなくなるのは寂しい。そう感じるのは筆者が昭和世代だからだと思いますが、その価値観を若い世代に押し付けるのも違う気がします。そう考えると年賀状は同じ価値観を持った本当に送るべき人を厳選し、負担にならない程度に数枚送るのが正解なのかもしれません。 【参考】 令和元年版 国土交通白書
高山恵