「目が見えなくなってもいいから走る」 難病で3年前に全盲に… 57歳ランナーがパリ・パラリンピック出場かけて挑戦 伴走者は憧れの福士加代子選手
「パリパラリンピック」出場を目指した、視覚障害があるマラソンランナーの女性がいます。そんな彼女を支えた“伴走者”との絆。 ■【動画で見る】『全盲のランナー』最愛の夫が他界「癌」で卵巣全摘出「マラソンをやめた方が視力は残せる」と医師 あきらめない女性の心を支えた「福士加代子との絆」 目が見えなくなることよりも、走ることを選んだ彼女の思いに迫りました。
■人生を変えた「ブラインドマラソン」との出会い
視覚障害者が42.195㎞を走る「ブラインドマラソン」。 障害が重い選手は、ランナーの目の役割を担う“伴走者”と共にゴールを目指す競技です。 マラソン界のレジェンドたちから次々と声がかかるブラインドマラソンの選手がいます。 「リオパラリンピック」で5位に入賞した全盲のランナー、滋賀県出身の近藤寛子さん(57歳)。 近藤さんは34歳の時、視野が極端に狭くなる「網膜色素変性症」と診断されました。「いずれ失明する」と告げられたのです。 数年間ふさぎこみ、孤独を感じる日々が続きましたが、ブラインドマラソンとの出会いが彼女の人生を大きく変えました。 【近藤寛子さん】「マラソンって、孤独な競技とかいわれるけど、私たちは伴走者がいるっていうことで…。苦しみは半分、喜びは2倍っていうことで、本当に楽しく走れるんじゃないかなって」
今年2月、パリパラリンピック代表候補の強化合宿。 【福士加代子さん】「右にちょっと(地面に)割れ目があって、ちょっとだけ段差がある…。ここから公道に入って、今、横断歩道を渡ってます」 近藤さんの隣で足元の状況を説明しながら誘導していたのは、オリンピックに4大会連続で出場し、2年前に現役を引退した福士加代子さん(42歳)です。 【福士加代子さん】「右手出して」 走りながら近藤さんに水を渡します。 【近藤寛子さん】「ありがとう」 【福士加代子さん】「とにかく自分の足を動かしていきましょう。前ももとおなかの付け根を動かすようにして、しんどい時にそこが使えるように」 「パリで一緒に走りたい」。近藤さんが福士さんに伴走を依頼したのは、今年1月のことでした。 【近藤寛子さん】「ベテランの伴走者も、初めて走った時はめちゃめちゃ走りにくくて『この人、無理やな』って思う人ばっかりなんですよ。でも、福士さんは、初めて走っても『この人無理やな』って思うことはない。回数を重ねれば」
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