アマ7冠の中野幹士、涙のプロ初タイトル「一生懸命やってきたんで」 李健太は初防衛も「そう簡単にいかない」
「ボクシング・東洋太平洋フェザー級王座決定戦」(7日、後楽園ホール) セミファイナルで東洋太平洋フェザー級王座決定戦が行われ、1位の中野幹士(帝拳)が14位のBRICS・ピアラ(フィリピン)とのサウスポー対決に4回34秒、KO勝ちして、2018年10月のプロデビューから11戦目で初のタイトルを手にした。 【写真】感極まって涙をグローブでぬぐう中野 アマ7冠の中野は、プロでもここまで10勝(9KO)と、無敗のまま初めてとなるタイトルマッチに臨んだ。 1ラウンド開始早々に強烈な左ボディーを決めると、圧力をかけ続けながら上下にパンチを打ち分け、3ラウンド終了間際に左ボディーでこの試合初のダウンを奪取する。4ラウンドに入るとラッシュをかけ、左右のボディーで2度目のダウンを奪い、テンカウントを聞かせた。 中野は「帝拳に入ってからベルトに触ったことがなかった。昨日フェイスオフでちょっと触っちゃったですけど、重いですね、うれしいです」と笑顔だったが、「一生懸命やって来たんで…ありがとうございました」と涙声に。涙をグローブでぬぐいながら、「もっといいベルトを見せられるように頑張っていきたい」と、さらに上を目指すことを誓った。 ◇ ◇ メインイベントで行われた日本スーパーライト級タイトルマッチは、王者・李健太(帝拳)が9位の佐々木ライアンジョシュア(ワタナベ)の挑戦を判定3-0で退け、4月に藤田炎村(三迫)から奪取した王座の初防衛に成功した。 ワンツーからボディーやアッパーと精度の高いパンチを無数に入れていく李に対し、佐々木は低くもぐる体勢から左右のフックやボディーを放って応戦する。5回終了時の採点は2者が49-46で1者が50-45、最終的な採点も2者が99-91で1者が100-90と李がほぼ完封だったが、採点以上に手こずった印象が残った。 李はリング上での勝利者インタビューを受けずに退場。控室でも「何も言うことないですね。次に期待しといてくださいの一言です」と苦笑。「簡単に心が折れへんかったんで、ちょっと油断というか、気持ち的に浮いちゃった。焦っちゃった。挑戦者の気持ちでいたんですけど、何かしら心に隙ができちゃったんですかね」と振り返り、「そう簡単にいかないと知れたというか、勉強になりました。次につなげたいです」と、今後の糧とする姿勢を示していた。