セクハラで辞職勧告受けた市議が一般質問へ 議会で賛否、一部退席も
女性議員にセクハラ行為をしたなどとして4月に千葉県市原市議会から議員辞職勧告を受けた永野喜光・元議長(自民党)が、12月市議会で一般質問をすることが分かり、一部会派が質問の間は議場を退席する方針を決めるなど、賛否が分かれている。 【写真】セクハラ問題で辞職勧告、賛成多数で可決 市議「めげずに取り組む」 市議会は4月の臨時会で、永野氏への辞職勧告決議案を賛成21、反対8の賛成多数で可決した。だが決議に法的拘束力はなく、永野氏は辞職を否定し、議員を継続。直後の6月と9月の市議会は一般質問をしなかったが、12月市議会から再開する考えだ。 これに対し、自民と無所属議員の3人でつくる会派「市凛会」は、永野氏が質問をする間は議場を退席し、抗議の姿勢を示す方針だ。会派代表の大曽根友三議員は「辞職勧告を受けた立場の議員が質問するのは筋が通らない。辞職勧告決議はそれだけ重いものだ」と話す。 他の会派は、退席はしない方針だが、「質問すると聞いて驚いた」などと、永野氏が登壇することへの違和感を口にする議員もいた。 一方、永野氏が所属する自民党会派(8人)は、4月の臨時会でうち6人が辞職勧告決議案に反対した経緯もあり、「議員の本分である質問を封じることは別の問題になる」(会派代表の保坂好則議員)と容認する考えだ。渡辺直樹議長(市民クラブ)は「(議員は)市民の負託を受けた代表。通告があった以上は質問を止めることはできない」と話している。 永野氏の一般質問は13日に予定。中小企業への支援やイトーヨーカドー姉崎店閉店後の地域経済活性化対策などについて質問する予定だ。永野氏は「問題があれば議会で質問をするのが議員の仕事だ。市民の立場から質問し、議員として問題提起をしていきたい」と話している。 辞職勧告を受けた議員の一般質問を巡っては、千葉市議会でも12月市議会で予定されており、一部会派が退席を検討するなど議論を呼んでいる。(前田基行)
朝日新聞社