【エリザベス女王杯】新星ホールネス大物の風格!優雅にラスト1F12秒0、新コンビ坂井もうっとり
「第49回エリザベス女王杯」の最終追い切りが6日、東西トレセンで行われ、栗東では下馬評をくつがえすべく新星ホールネスが新コンビの坂井を背に芝コースでハツラツとした動きを見せた。主力視される東のエース・レガレイラと同じキャリア6戦の好素材。淀の芝外回り2200メートルで素質と素質が激突する。 女王杯制覇はここから始まる彼女の壮大な物語の第一章に過ぎないのかもしれない。G1初挑戦のホールネスがスケールで圧倒する。鞍上にワールドワイドの活躍を見せる坂井を抜てきしたのも世界という舞台を視野に入れているからこそ。その鞍上がファーストタッチで非凡さを感じ取った。 最終追いは芝コースを単走で馬なりのまま流し、5F73秒4~1F12秒0。何げない時計だが、雄大な馬格から繰り出されるフットワークは牝馬とは思えないたくましさだ。坂井が上機嫌に感触を口にした。 「中2週で馬も仕上がっているから微調整というか、気持ち良く走らせるように。角馬場からキャンターに下ろすときの感じも良かったし、いい馬だなと思いました。操縦性が良くて、しまいもしっかり動けていた。大事に使われてきてフレッシュさもあり、全体的な能力の高さを感じます」 馬体重が530キロを超える外国産馬。鞍上が目を細めたのは雄大な馬格とともに伝わる気品だ。欧州の香りが漂う。「京都の芝2200メートルは力通り、力勝負になる印象。G1級の馬には一瞬の切れ味で劣るかもしれませんが、これから作戦を考えて乗りたい。結果を求められての騎乗依頼。しっかり結果を出せるよう頑張りたい」と意気込んだ。 送り出す藤原師も自信満々だ。早くからこのエリザベス女王杯に照準を定め、仕上げてきた。全6戦中すでに芝2200メートルを4回走らせるというレース選択からも明らかだ。格上挑戦だった前走の新潟牝馬Sを勝ち、賞金加算に成功。指揮官は「前走はここに使うためにも勝ち切ることが重要だった。(騎乗した)西塚も指示通り責任を果たしてくれた。中2週になるが、逆算してつくっているから問題ない」と力を込める。 女王杯制覇からさらなる高みへ。そして世界へ。藤原師は「ストライドが大きくて京都の外回りも絶好。楽しんで乗れる馬だと思う」と坂井に託した。馬名は“欠けたものがない”という意味。完璧な強さを見せつける。 《外国産馬勝てば22年ぶり》ホールネスは父ロペデヴェガのアイルランド産馬。同種牡馬の産駒は今年の仏ダービー馬ルックドゥヴェガなど欧米で活躍しており、JRAではホールネスがG1初挑戦となる。エリザベス女王杯が3歳以上のレースになった96年以降、外国産馬は10頭が出走し勝ったのは02年1番人気だったファインモーションのみ。勝てば22年ぶりとなる。