【エリザベス女王杯】欧州血統由来の成長力と底力がキモ 適性舞台で末脚弾けるルージュリナージュ
傾向解説
昨年から舞台を京都芝2200mに戻したエリザベス女王杯。2020~22年に行われていた内回りコースの阪神芝2200mから外回りコースに替わるため、全体のペースも大きく変わってきます。本記事では京都芝2200mと阪神芝2200mの違いも含め、エリザベス女王杯のレース傾向を整理していきます。 【エリザベス女王杯2024 推奨馬】実績・実力・末脚はNo.1! 歴戦のGⅠ馬がクリアの条件を満たす(SPAIA) まず紹介したいデータは年齢別の成績。データの通り、京都開催では好走馬のほとんどは3~4歳馬です。当然これには、牝馬の多くが繁殖にあがるため高齢での出走が少ないことや、直線の長いコースの芝中距離戦は日本の主流条件のため、層が厚く世代交代が早い傾向にあることが関係しています。これは天皇賞(秋)やジャパンCでも同様の傾向にあり、当レースにおいても阪神開催時以上に年齢には注目する必要があるでしょう。 <年齢別成績(京都開催直近7回)> 3歳【2-1-3-16】 勝率9.1%/連対率13.6%/複勝率27.3%/単回率45%/複回率48% 4歳【5-4-3-30】 勝率11.9%/連対率21.4%/複勝率28.6%/単回率90%/複回率94% 5歳【0-1-1-38】 勝率0.0%/連対率2.5%/複勝率5.0%/単回率0%/複回率20% 6歳【0-1-0-10】 勝率0.0%/連対率9.1%/複勝率9.1%/単回率0%/複回率30% 7歳以上【0-0-0-4】 勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率0.0%/単回率0%/複回率0% また、京都芝2200mと阪神芝2200mではペースの差も大きく、過去10年で京都開催だった2014~19、23年の7年間では前後半1000m平均が61.4-59.4の後傾2.0秒。それに対して、阪神開催だった2020~22年の3年間は同59.5-60.1の前傾0.6秒のハイペースでした。 京都芝2200mではスローペースからの末脚勝負、阪神芝2200mではハイペースでの消耗戦が基本であり、これは馬体重別成績にも大きな影響を与えています。データの通り、京都開催時は追走スピードが求められにくいため軽量馬の活躍が目立ち、逆に阪神開催時に馬体重510kg以上の馬が2勝していることもこの傾向の裏付けとなりそうです。 <馬体重別成績(単勝オッズ99.9倍以下・京都開催直近7回)> ~439kg【1-2-0-9】 勝率8.3%/連対率25.0%/複勝率25.0%/単回率126%/複回率126% 440~459kg【1-3-4-16】 勝率4.2%/連対率16.7%/複勝率33.3%/単回率28%/複回率71% 460~479kg【4-2-1-26】 勝率12.1%/連対率18.2%/複勝率21.2%/単回率63%/複回率73% 480kg~【1-0-2-17】 勝率5.0%/連対率5.0%/複勝率15.0%/単回率27%/複回率26% 血統面ではSadler's Wellsに注目。京都芝2200mは、直線距離が長いコースでの芝中距離戦のため、ディープインパクトなどのサンデーサイレンス系やキングカメハメハなどのKingmambo系が強いことは間違いありません。ただ、ダービーやオークスなどと比べると、より成長力が求められ、さらにペースも緩みやすいため2000m以下でのようなスピードは求められません。 そうなると、北米血脈でスピードを強化したタイプよりも欧州血統で成長力と底力を強化した馬の方が合い、2018~19年は2年連続でSadler’s Wells内包馬のワンツー決着でした。4年ぶりの京都開催となった昨年もSadler's Wells系Frankelを母父に持つルージュエヴァイユが5番人気2着と好走しています。 <Sadler's Wells内包馬の成績(京都開催直近7回)> Sadler'sWells【3-4-1-19】 勝率11.1%/連対率25.9%/複勝率29.6%/単回率93%/複回率100%