「スパチャ5000万」「年収1億」でも「国税とは戦いたくない」…「炎上で食ってる奴ら」その正体と人生
そもそも実態はあるのか。どんな奴らが書き込んでいるのか。インフルエンサーはなぜたきつけるのか。燃えた人の恐怖はいかほどか。令和の社会現象「炎上」のすべてを徹底取材で明かす。 【一覧】エッ、これって現実の出来事? 令和に起きたヤバすぎる「炎上事件簿」 1章記事『1日に4件の「炎上」が起きているが実際に書き込みしているのは「2万人のうち100人」だけ…!「実証研究」でわかった「炎上」に参加している人たちの「正体」』より続く。
「カネを稼ぐ」だけが目的
「最初に言っておくと、ユーチューバーなんて職業は、○ソです」「中途半端な一芸で日銭を稼ぐ場所、それがユーチューブです」 画面に大写しになった男性が、滔々と喋る。その語り口は、いかにも露悪的だ。 いまや世論を左右するほどになった炎上だが、その裏側には、ネット広告の巨大な経済圏がある。'24年のインターネット広告媒体費は予測値で約3兆円。美名であれ悪名であれ、再生数や閲覧数を稼ぎ、注目を浴びた者が勝つ。それが、数字がカネに直結するSNS社会のルールである。 中でも、個人で巨大な発信力を誇り、炎上に薪をくべ、ときには自分から炎の中へと突っ込むのが「炎上系インフルエンサー」と呼ばれる人びとだ。冒頭に挙げたのは、「元祖炎上系」と呼ばれるユーチューバーの「シバター」が'14年に投稿した動画の一節である。 彼はアイドルや芸人、他のユーチューバーなどの有名人を「オワコン(=終わったコンテンツ)」「売名」などと批判したり、「いたずら電話をかけてきた人物を特定する」「成人式のヤンキーに突撃する」などの体を張った企画で人気となった。現在もチャンネル登録者数は116万人を数え、最盛期の'18年には、1億円を超える収入を得たという。本人が語る。 「動画を投稿し始めたのは'13年で、純粋に『カネを稼ぐ』ことが目的でした。軌道に乗ったのは、自分自身を『炎上させた』動画がきっかけです」 「Jリーガーと合コンした柏木由紀ことゆきりんに物申す!」がそれだ。当時、AKB48の中心メンバー・柏木由紀さんが合コンに行っていたことが報じられた。シバターは、カメラに向かって「ゆきりん!なんでそうやってファンを裏切るんだよお!」と泣き叫ぶ動画を投稿した。 「AKBには全然興味なかったし、知っている曲もなければ好きなメンバーもいなかった。そのとき、たまたまグーグル検索のトレンドワードやユーチューブで検索上位だったのが『柏木由紀』だったというだけです。 それで『アイドルに熱中するオタクって、ちょっと面白いよな』『オタクを演じる動画なら、俺を知らない人も見てくれるんじゃないか』と考えて、滑稽な感じで演技をした。すると、狙い通り70万再生を突破しました」
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