「スパチャ5000万」「年収1億」でも「国税とは戦いたくない」…「炎上で食ってる奴ら」その正体と人生
マスコミを超える影響力
たとえばこの10月にはコレコレの配信で、モデルの多屋来夢さんが人気バンド「RADWIMPS」の元ギタリスト・桑原彰氏との不倫を実名で暴露。スポーツ新聞や週刊誌が後追い報道する騒ぎとなった。 「コロナ禍以降、リアルでのコミュニケーションが退潮し、SNS上で完結するコミュニケーションに安心感や親近感を抱く人が増えた。その一方で、ワイドショーや大手メディアが『暇ネタ』として炎上騒動やネット発のゴシップを積極的に取り上げるようにもなりました。それらの相乗効果で、炎上が『ネットの内輪ネタ』で終わらず、実社会でも影響力を持つようになったわけです」(前出・城戸氏) 気になるのは、彼らの収入と私生活である。シバターによれば「ユーチューブ動画の広告収益は、動画の再生時間、表示された広告の回数、広告のクリック回数などで細かく変動しますが、だいたい1再生あたり0・5~1円程度」だという。さらに生配信では「スパチャ」と呼ばれる「投げ銭」の収益もあり、コレコレは累計5000万円を超えるスパチャを受け取っているとされる。 ただ、かつてのように「炎上でボロ儲け」とまではいかなくなっているのが実情のようだ。シバターはこう続ける。 「炎上ネタを主に扱うユーチューバーは、ほとんどが再生回数を維持できずに消えていきました。『陰謀論のほうが確実に数字が取れる』などと、他の分野に軸足を移した人も少なくありません。 また、この数年で広告の規制も厳しくなり、少し過激な言葉を使ったり、DVやレイプといった話題を扱うと、すぐに収益化が停止するようになりました。動画の広告収入だけで食っていける時代は完全に終わったんです。俺も動画だけでなく、パチンコ店での営業や、広告代理店から受ける『案件』(=広告動画の仕事)、他のユーチューバーへのコンサルなど、収益源を多角化しています」 炎上芸人からビジネスマンに脱皮しなければ、生き残れなくなっているというわけだ。彼は「いちばん怖いのは国税庁」とも吐露する。 「俺はどんな相手にも喧嘩を売りますし、民事でも刑事でも訴えられたことがありますが、国税とだけは絶対に戦いたくない。今では妻子もいますから、税金はきっちり青色申告で納めています」 昔は「無法地帯」と言われたネットの世界だが、「表の世間」と一致してゆくにつれ、規制も人の目も厳しくなっていった。炎上で飯を食うのも、そうラクではなさそうだ。 3章記事『これって現実の出来事…?「ヤバすぎる令和の炎上事件一覧」と近年、一般人やサービス業ばかりで炎上が起きている「深刻な理由」』へ続く。 「週刊現代」2024年11月9日号より
週刊現代(講談社・月曜・金曜発売)
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