ランド・ノリスにインタビュー、メンタルヘルス、今後の目標…25歳のF1ドライバーの素顔に迫る
マクラーレンのF1チームに所属する25歳のイギリス人ドライバー、ランド・ノリスが米THRに対し、今年最大の功績、メンタルヘルスについて公言する理由、完璧な休日の過ごし方などについて語った。 ランド・ノリスにインタビュー、メンタルヘルス、今後の目標…25歳のF1ドライバーの素顔に迫る
―――F1に参戦する以前から、長い間このために努力してきたと思うが、今シーズンここまで成し遂げたことをどう思いますか?
マクラーレンが成し遂げたことをとても誇りに思うよ。F1での初勝利は誰にとっても夢のようなもので、どこかでスタートしなければならない。それに加えて、チャンピオンシップを争っているというボーナスもある。3レース、4レース、5レースが終わった時点でも、「ああ、まだやるべきことがたくさんある 」と思っていた。でも、僕らはそれをやり遂げた!ハードワークをこなし、多くの部分を改善し、最終的には今年最も競争力のあるチームになった。でも、決して楽ではないし、むしろ厳しいよ。だって、僕らよりずっと長くこのポジションにいる強豪たちとレースをするんだからね。
―――あなたはNetflixの『Formula 1: 栄光のグランプリ』が始まった後にF1でのキャリアをスタートさせました。でも、あなたはその番組の前にF1を見て育っているわけで、その前の時代にF1ドライバーを経験したいと思ったことはありますか?
少しはある。30年前、10年前、5年前……。すべてがまったく違うと思う。今を生きているだけでは、進化がどうなっているのか、物事がどう変化しているのかを知ることは難しい。でも、5年前、10年前を振り返ってみると、ああ、ずいぶん変わったなあと思うんだ。だから、いい意味で混沌として、ドライバーへの要求が高まっただけだと思う。でも、僕が見ていた2007年、2008年の瞬間をもう一度味わってみたい。F1を見始めたのは子供の頃だった。V12やV10エンジンを搭載し、今と比べるとクレイジーなサウンドだった。時代はとてもとても違っていた。ソーシャルメディアも少なかった。とても違う時代だったんだ。
―――マシンに乗り込み、周囲の雑音がすべて聞こえなくなり、ロックインした瞬間、頭の中を何がよぎりますか?また、実際のレースという仕事の側面で何が一番好きですか?
ひとつは、何もかも忘れてしまうこと。チームがそばにいて、耳元で話をしてくれているのと同じように、自分もまた孤独で小さな世界にいるようなものなんだ。レースカーを運転しているだけで、クルマの中には自分しかいない。いつもクールな瞬間なんだ。特に、プレッシャーや緊張、アドレナリンなど、いろいろなことが重なると、よりクールなものになる。テストセッションは行えるけれふぉ、プレッシャーやアドレナリンのようなものがないから、予選やレースほどワクワクしない。それが大きな違いだ。何を正確に考えているのかわからないが、それが恐らく僕がこの感覚が好きな理由で、運転中に少し無意識の状態に入るような感じがする…常にいろいろなことを考えてしまうし、考えすぎてしまうんだ。だからコースを走っているときは、脳がその状態から解放されて、何も考えなくなるんだ。その何も考えない時間が好きなんだ。