試合後も余裕たっぷりだった中谷潤人

　衝撃的な強さだ。ボクシングのWBC世界バンタム級タイトルマッチで王者・中谷潤人（26＝M・T）が同級1位ペッチ・ソー・チットパッタナ（30＝タイ）を6回2分59秒TKOで破り、2度目の防衛に成功。日本人が4団体の王者を占める戦国時代のバンタム級で「チャンピオンなら誰でも」と王座統一戦を希望した。 【写真】ペッチをリングに沈めた中谷潤人 　77戦してわずか1敗、ダウン経験がないという驚異の打たれ強さを誇るペッチを迎え撃った中谷。長いリーチを生かした鋭い右ジャブを突き出すなどして、勢いよく懐に飛び込む相手をコントロールした。徐々に接近戦が増えていったが、中谷は手数とパンチの正確性で上回り、6回に強烈な左ストレートからの連打でダウンを奪う。そこから猛攻を仕掛け、最後も豪快な左ストレートでダウンを奪って勝負を決めた。 　リング上のインタビューでは「世界戦でノックアウトする機会が増えてきているので、お客さんのみなさんも喜んでくれたらうれしいと思っています」と満足顔。タフな相手をねじ伏せたことも「そういう選手もノックアウトしてきたので、そこらへんは気負わずノックアウトできてよかった」とこともなげに振り返った。 　前夜には互いに王座統一戦を希望していた井上拓真（大橋）から堤聖也（角海老宝石）がWBC王座を奪取し、日本バンタム級はさらなる群雄割拠に突入。今後のことを問われると「チャンピオン、誰でも。フー・イズ・ネクストという感じです」と相手を問わず王座統一戦を希望した。 　戦うごとに評価を高める中谷には、スーパーバンタム級4団体統一王者の〝モンスター〟井上尚弥（大橋）との将来的な対戦も期待される。これに対しては「1階級違うだけなので、僕の体のポテンシャルとしても、スーパーバンタムでもいけるな思っている。まあ、まだバンタム級なので」と前向きな姿勢を示した。 　期待を裏切らない男は次にどんな戦いを見せてくれるだろうか。