頭痛が起きないようにする「予防薬」はご存じですか? ひどい人は軽く、軽い人はついに卒業!?
頭痛予防薬の注意点とは?
編集部: 頭痛の予防薬は、どれくらいの頻度で使用するのでしょうか? 宮崎先生: 基本的に内服薬の場合には頭痛の発作がなくても、毎日服用します。一方、抗CGRP関連薬の場合には薬によって注射頻度が異なりますが、エムガルティとアイモビーグは基本的に毎月1回注射をします。 アジョビは1か月のほか、3か月に3本まとめて注射をすれば良いタイプもあります。またエムガルティのみ、初月は2本使用します。 編集部: それらの治療薬は保険が適用になるのですか? 宮崎先生: はい。いずれも保険が適用になります。 編集部: そのほか、頭痛を予防するためには日常でどのようなことに気をつけたら良いでしょうか? 宮崎先生: たとえば、頭痛がいつ起きたか、どのくらいの頻度で起きているのかなど、頭痛について記録をとると診察の際、医師に正確な情報を伝えることができ、適切な治療につながりやすくなります。 頭痛の強度や頻度を記録し、「頭痛ダイアリー」をつけることで「頭痛の見える化」を行うことをおすすめします。 編集部: 頭痛ダイアリーをつける時の注意点を教えてください。 宮崎先生: ひどい頭痛だけでなく、軽い痛みも記録することが大事です。軽い頭痛は間歇期(かんけつき/症状が治まっている期間)の症状として出現することがあるからです。 頭痛の治療では、こうした間歇期の症状をなくすことが重要。そのため程度を問わず、どのような痛みであっても頭痛が起きたら記録することが重要です。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 宮崎先生: 予防薬の目的は、「痛みがない日を作ること」にあります。頭痛は非常に日常的なものであるため、「頭痛=病気」と思っていない人が多いのです。 しかし痛みがあること自体が問題であり、それにより、日本は多くの経済損失を生み出しているという試算もあります。頭痛を放置すればするほど治療が難しくなりますから、頭痛で悩んでいる場合には早めに医師の診察を受けるようにしましょう。