米特殊部隊出身のリーダーが影響力発揮-ディストレスト債務の世界
(ブルームバーグ): 米金融サービス会社ジェフリーズ・ファイナンシャル・グループでは、米海軍特殊部隊出身のジョー・フェメニア氏がトレーダーやアナリストから成る小グループを率い、その規模が物語るよりも大きな影響力を競争激化のディストレスト債務の世界で発揮している。
財務状況が深刻化した企業の株式や社債を安値で買い取って、企業の価値が上がったところで売却するディストレスト投資は競争が極めて激しい。一層の高利回りが期待される資産への投資家の需要は旺盛で好機を捉えるのは容易でなく、現在の競争環境はさらに厳しいものとなっている。
顧客のために大型案件を追求する大手の銀行や投資会社のケースと異なり、ジェフリーズのチームはしばしば自己資金も用い、時には市場の目立たない部分を含め、比較的小さめな投資案件を探している。
同社は他とは違ったアプローチなどにより、広く注目されている顧客ランキングで上位5位に食い込んだ。当局への届け出でも強みの源泉の一つとしている。
27日には資本市場の好調と投資銀行業務の回復に支えられ、2023年12月-24年2月(第1四半期)に増益となったと発表した。
ジェフリーズの12-2月期は増益、資本市場の好調とディール回復で
ディストレスト&スペシャルシチュエーションズ・グローバル責任者を務めるフェメニア氏は、「われわれは従来型の軍隊のようにはなりたくない」とし、「われわれが目指すのは比較的小規模で洗練し機敏でありながら、強いインパクトを持つ『特殊作戦部隊』だ」と説明した。
ブルームバーグ集計のデータによれば、米国におけるディストレスト債務は現時点で計2000億ドル(約30兆円)相当と、1年前の2950億ドル規模から縮小している。一方で投資家層は豊富な資金力を持ち、財務面の危機に陥った企業に何十億ドルも投じるプライベートクレジットファンドも加わり拡大している。
アナリスト8人、トレーダー3人を含む計17人で構成されるフェメニア氏のチームはそうした立場にはなく、資本構成が5億-40億ドルの企業を対象に小口の持ち分を取得する。大多数の場合、過半数保有ではないものの影響力を持つには十分な投資を行う。