「頑張っても評価されない…私ってナメられてる?」→マッキンゼー出身の女性起業家の答えに胸がスッとした!
最もこの役職にふさわしい候補でありながら、歴代の前任者の誰にも見た目も行動も似ていない彼女が、承認されるまでのただでさえ険しい道のりがさらに険しくなったのは、おそらく口調が穏やかだったからです。 ● 穏やかで控えめで貫禄がなくても リーダーはじゅうぶんに務まる 一般的な「リーダーにふさわしい人」の定義に、イエレンは含まれていなかったのです。2013年7月、当時のワシントン・ポスト紙の記者エズラ・クラインは論説にこう書きました。 「私は驚くほど多くの同じパターンの議論をしてきました。対話の相手はこう言うのです。『イエレン氏は素晴らしい。しかし……』この『しかし』の後は同じ論旨となる。彼女は『タフさ』に欠ける。彼女は『貫禄』が足りない。『口調が穏やか』すぎる。『控えめ』すぎる」 記者は続けて、否定論者の本質を見抜いた指摘をしています。 「こういった苦言に共通するのは、ステレオタイプ的な男性の資質に基づいたリーダーシップの暗黙の定義だ。こういった資質は、すべての男性が備えているわけではなく、すべての女性に欠けているわけでもないが、女性よりも男性のほうが報われる傾向にある資質であるため、女性よりも男性に広く行きわたっているのだ」 イエレン氏は史上最も僅差で、この地位に就く初の女性として承認されましたが、指導的役割の女性を見る目は、彼女が権限を握って10年たってもなお、大幅に良くなったとは言えないようです。
イエレン氏をはじめとする出世を遂げた女性たちは、部屋にいる大半の人と見た目と行動が違うという理由で、依然として困難な闘いを強いられています。もちろん、わずかですが注目され認められている女性もいます。 マッキンゼーの2021年版の年次報告書「職場の女性」が、典型的な女性の強みである「思いやりと共感力」が世界中のリモート勤務の企業で歓迎され、新型コロナウイルス感染症のパンデミックの最中に女性のリーダーシップが開花したことを取り上げたのです。 ただし女性は、「最悪の状況を脱したときに最も燃え尽き症候群を経験しやすい」という言及もあります。また、養育者の役割に足を踏み入れる人への過小評価は相変わらずです。職場では「与えること」が自信の定義だと認識されていないのです。 ● 強いオスであるように演じなくていい 女性の思考と行動こそ強みになる 2013年に刊行された話題書『女神的リーダーシップ 世界を変えるのは、女性と「女性のように考える」男性である』(プレジデント社)には、数々の調査と綿密なリサーチ、世界各国の取材に基づいて、社会理論家のジョン・ガーズマと共著者のマイケル・ダントニオが、育成、協力、コミュニケーション、分かち合いなど、女性寄りの強みの重要性がようやく認識され始めた、と記しています。