仏銀大手ソシエテ・ジェネラルの暗号資産部門、ユーロのステーブルコインをXRP Ledgerに導入へ──マルチチェーン移行計画を発表
フランスの銀行大手ソシエテ・ジェネラル(Societe Generale)のデジタル資産特化子会社SG-FORGEは、複数のブロックチェーンへの拡大を目指し、自社のユーロステーブルコインであるEURコインバーティブル(EURCV)をXRP Ledger(XRPL)ネットワークでデプロイすると発表した。 同社によると、この「マルチチェーンアプローチ」は来年から開始される予定で、現在は最終的な技術統合を待っている状態だ。 EURCVは2023年にイーサリアムブロックチェーンで始まり、ドルステーブルコイン発行者としてトップのサークル(Circle)とテザー(Tether)に対抗する高度に規制された商品として位置付けられた。EURCVは限定的な普及にとどまっている。サークルのEURCは発行量が9200万ユーロだが、EURCVは3800万ユーロ(約61億5600万円、1ユーロ162円換算)だ。しかし、どちらもドル連動型のステーブルコインには及ばない。市場リーダーであるテザー社のテザー(USDT)は1260億ドル(約19兆5300億円、1ドル155円換算)、サークルのUSDコイン(USDC)は370億ドルの規模だ。 SG-FORGEは今年これ以前に、ソラナブロックチェーンでのトークンのデプロイ計画を発表。このネットワークのより高速で安価なトランザクション(取引)によって、普及状況が改善するのを期待している。 SG-FORGEの最高収益責任者であるギヨーム・シャタン(Guillaume Chatain)氏は声明で、「これは始まりに過ぎない」とし、「さらなるイノベーションと当社のデジタルソリューションのポートフォリオが届く範囲の拡大を楽しみにしている」と述べた。 XRPLでのデプロイにより、SG-FORGEはこのネットワークの国境を越えた決済やトークン化の機能を活用し、高速な決済と低コストのトランザクションを売りにしようとしている。EURCVは発行のためにリップル・カストディ(Ripple Custody)のサービスを利用する見通し。 リップルX(RippleX)の上級副社長であるマーカス・インファンガー(Markus Infanger)氏は、「EURCVのような信頼できる銀行グレードのステーブルコインをXRPLに導入することは、リップル(Ripple)の中核的な焦点である決済など、機関レベルのユースケースを可能にする上で重要だ」と述べた。 政府発行の通貨に対して価格が固定された暗号資産(仮想通貨)であるステーブルコインは、より効率的で安価な送金手段を提供しており、世界中で決済手段として人気が高まっている。各国がこの資産クラスに対する規制を整備する中、独自のステーブルコイン発行に関心を示す銀行が増えている。例えば、スペインの銀行BBVAは、決済企業ビザ(Visa)のトークン化プラットフォームを使用して、来年イーサリアムブロックチェーン上でステーブルコインを発行する計画を発表した。 リップルも自社の米ドルステーブルコインRLUSDの発行においてかなり進んだ段階にある。リップルのモニカ・ロング(Monica Long)社長は先月のCoinDeskとのインタビューで、このトークンは「運用準備が整って」おり、ニューヨーク州金融サービス局の規制承認を待っていると述べた。 |翻訳・編集:林理南|画像:Shutterstock|原文:SocGen Crypto Arm to Bring Its Euro Stablecoin to XRP Ledger, Lays Out Plan for Going Multichain
CoinDesk Japan 編集部