2024年の小売事業者向けSEO対策は「体験に基づく」「役立つ」コンテンツがカギ! ローカルSEOにも商機あり
8月22日~9月7日(米国太平洋標準時)に行われたコアアップデートと、ほぼ同時期に展開された「ヘルプフルコンテンツアップデート」の好影響が顕著に出ていることが伺えます。
「ヘルプフルコンテンツ」とは、その名の通りユーザーに役立つコンテンツを指し、Googleの公式ヘルプでは「訪問者に満足されるコンテンツを高く評価し、訪問者の期待に応えていないコンテンツとの差別化を図ることを目的としている」と記載しています。 当該サイトでは8月までと9月以降で比較すると、表示回数は約10倍、クリック数は約9倍に増加。サイト全体の平均掲載順位は7月が30位、8月は21位、9月は16位、10月には14位と、3か月で平均を16ランクほど上げています。 このサイトのSEOで意識したのは「体験に基づくコンテンツ」と「役に立つコンテンツ」です。 【実施した施策】 ・サイト内検索でタイトルや内容が似ている記事を統廃合 ・ライターさんに「E-E-A-T」や「YMYL」について理解してもらう ・健康効能系のグッズに関しては、外部リンクなどを用いてエビデンスを明示する ・ スタッフによる体験動画や画像を追加。エクスペリエンスを意識した内容に深掘り AIによる生成コンテンツと明確に差別化できる「人による人のためのコト・モノ」という箇所に注力していることがわかると思います。 特に「ヘルプフルコンテンツアップデート」以降、海外のフォーラムを確認しても「商品AとBを比べてみた」「自分でやってみた」「行ってみた」「食べてみた」など、実体験による記事が好影響を受けたという報告を多く見かけました。 生成AIによるコンテンツが増え、制作も効率的になっていくなかで、「E-E-A-T」や「ヘルプフルコンテンツ」が重みを増していることを体験した事例です。
AIに依存するのではなく「活用する」
とはいえ、生成AIの利用に否定的なわけではありません。筆者も「ChatGPT」や「Gemini(旧Bard)」を活用しています。 ただ、“生成”の名の通りAIは事実や既存の情報を元にした内容は得意かもしれませんが、世に無い未知の物事にはまだ弱いと感じます。「食べる」「着る」「行く」という体験ができるまでにはどれほど時間がかかるかわかりません。 人によってゼロから生み出された新しさを体験できるという点は、AIに圧倒的に勝る点ではないでしょうか。 スタッフが自社の商品・サービスを実際に使った経験・体験を発信していくことが、自社の強力なフォロワーになり得る顧客との出会いを創出すると考えています。 ■ AIによるフェイクニュースには注意が必要 また、AIを使ったフェイクニュースにも注意が必要です。2024年は世界の選挙イヤーでもあります。前回のアメリカ大統領戦でも、両陣営の支持者によるフェイクニュースが問題になりましたが、現在はAIツールもかなり普及しており、より巧妙なフェイクニュースが生成されてしまう可能性があります。 既に結果が出た台湾の総統選挙では、ディープフェイクの動画も拡散され、市民の8割が何らかの形でフェイクニュースに触れているというニュースもありました。 こうした状況などもあり、「ChatGPT」を開発したOpenAIは、米大統領選挙でAI利用禁止という初の措置を打ち出しています。