美食家が厳選。2024年を代表する、本当においしい地方のベストレストラン10店
辻氏からこれからの「Destination Restaurants」についてどういうことが求められていくか尋ねられると「地域の料理人は地元の生産者の食材をただ使うだけでなく、生産者に働きかけてリクエストしたり、一般的に流通しない魚やジビエを使うなど、受け身ではなく、能動的に食材を開拓していくことが今後大事になっていくのではないか」と浜田氏は答えた。
また、世界のレストランシーンにおける日本のレストランシーンについて辻氏が尋ねると「世界中のレストランを見ていると、日本に何らかのインフルエンスを感じているシェフが多いので、日本のシェフたちは自分たちがやっていることを信じてやればいいのではないかと思います。そうすれば世界をリードできる気がします」と本田氏は返した。
浜田氏は「日本のレストランに行きたいと語る世界的な有名シェフは多く、日本が注目されているのは間違いありません。一方で日本にいるとお客様の大半が日本人で、味覚のストライクゾーンが似ているため、野球でいうフォームが小さくなる懸念がある。だからこそ日本のシェフたちにも気分転換に、大きなフォームで剛速球を投げてくるスペイン、イタリア、フランスのレストランにも足を運んでほしいとも思っています。もっと自由でいいと感じられると思います」と締めくくった。
このほか辻氏は参加していたシェフたちにも質問を投げかけ、能登半島地震のこと、シェフたちのつながりについて、おいしさを追求することと芸術的な表現を両立させることの工夫、世界的な食の潮流と日本の食シーンについてなど、さまざまな議題が飛び交った。
【特別インタビュー】能登の飲食店メンバーが集まる食堂「メブキ」をオープン予定の「ラトリエ ドゥ ノト」池端シェフ
授賞式後に「ラトリエ ドゥ ノト」の池端シェフに特別インタビューを敢行。令和6年能登半島地震で、築100年の輪島塗の塗師の家を改装した2階建てのレストランが損壊してしまった被災者でありながら、地域の人たちに炊き出しを行うなど、被災者の支援に尽力したシェフだ。