美食家が厳選。2024年を代表する、本当においしい地方のベストレストラン10店
2024年を代表するのは、食肉集団が手掛けるオーベルジュ「エレゾ エスプリ」(北海道)
10軒の中でも特に象徴的なレストランに贈られる「2024年 Restaurant of the year」には、北海道豊頃町大津で2022年10月に開業したオーベルジュ「エレゾ エスプリ」が選ばれた。同店は畜産から屠畜、解体、枝肉熟成、シャルキュトリ加工までできるラボを備え、オーナーシェフ・佐々木章太氏のもと、独自の食肉文化を追求している。
ELEZO ESPRIT
住所: 北海道中川郡豊頃町大津127 TEL: 070-1580-1010
佐々木シェフは「僕らは料理人として魚、肉、自然の恩恵を受けて料理を作ることができ、消費者もその恩恵を受けて食体験ができています。ただ、食肉の仕事に携わる中で、フードチェーンの中で報われない方が生まれてしまうことのむなしさ、切なさを感じていました。その状況を悲観するのではなく、自分たちが報われない方々に光を灯す一翼を担いたいと24歳で創業してこれまで19年間この仕事をやってきました。豊頃町は十勝開拓のスタート地点でもあります。ぜひ『エレゾ エスプリ』や、リストのレストランに足を運んで応援してください」と来場者に語りかけた。
また受賞者の一店である石川県の「一本杉 川嶋」は能登半島地震の影響を受けたお店で、川嶋シェフが受賞スピーチで涙ぐむ場面もあった。「震災の被害を受け、お店の再開の見通しも立っていない状況のため、当初は発表会に参加すべきか迷いましたが、能登の希望になろうと思いここに立たせてもらっています。たった1分ちょっとの地震で街がめちゃくちゃに壊れましたが、山、川、海の食材もちゃんと生きていて、今まで自分たちが積み上げてきたことはなくなっていません。そしてかけがえのない仲間がいることが能登の希望です。あの時のことを思い出すと悔しいこともたくさんありますが、必ず仲間とともに能登は復活します」と力強くスピーチし、大喝采を浴びていた。
2024年度の受賞レストラン9店を紹介!|「ヴェンティノーヴェ」(群馬)
日本百名山にも数えられる霊山、武尊山がある群馬県利根郡川場村はオーナーシェフ、竹内悠介氏の故郷でもある。東京でも人気を博していたレストランを閉め2022年、地元に出店。トスカーナ郊外の名店で学んだ、解体や調理の技術を駆使した肉料理が名物だ。