CS出場の広島にふりかかる難題
FA市場で他球団の草刈場だった広島
広島は、企業の経営母体を持たない独立採算の球団ゆえに、その予算に限界がある。現在の大竹の推定年俸は1億円だが、そのあたりの経済基盤の弱さにつけこまれて、これまでFA市場では、他球団の草刈場にされてきた事情もある。もちろん、球団は大竹を全力で慰留する方向だが、FA残留における条件提示にも限界がある。それだけに条件に大きな差を付けてFA交渉を仕掛けるならば、大竹が、FA移籍に踏み切る可能性もなくはない。16年ぶりのAクラス入り、初のCS出場という悲願も達成してチームへの恩義も果たした。埼玉・浦和学院出身で、元々は関東圏の人間。昔は、西武ファンだったことで知られている。他球団の誠意、熱意次第では、彼の心境がどう変化するかはわからないだろう。
FA宣言のうえ残留?
だが、私は個人的には大竹はFA宣言をした上で広島に残留するのではないかと考えている。彼は、2010、2011年と、2年間、肩を痛め勝てなかった時代も球団にバックアップしてもらったことに対しての恩を感じている。いずれにしろ結論が出されるのは、クライマックスシリーズ、その先にある日本シリーズでの決着が付いてからだろうが……。すでにペナントレースを終えた他球団からの大竹への熱視線はさらに熱くなる。 (文責・駒沢悟/フリーライター、元スポーツ報知広島番記者)