石破首相が年頭所感 「真摯に謙虚に国民の安心安全守る」
石破茂首相は1日、新年に当たっての年頭所感を発表した。全文は次の通り。 明けましておめでとうございます。 本年の干支は「乙巳(きのとみ)」です。「乙」は周囲との調和を保ちながら目標に向かって進んでいく力、「巳」は蛇を表し、古来より豊穣や生命力の象徴とされています。 前回の乙巳は昭和40年。「いざなぎ景気」が始まり、日本中が活気にあふれていた時代でした。日本は今ほど豊かではありませんでしたが、一人一人に笑顔があり、お年寄りも若い人も子供たちも笑顔で活気がありました。乙巳の字のごとく、衆知を集め、豊かさと笑顔を皆さまに届けていく一年にしてまいります。 全ての人々の幸せを実現するため、三つの重要政策課題に取り組みます。 第1は、外交・安全保障上の課題への対応です。ロシアのウクライナ侵略、北朝鮮の度重なるミサイル発射などわが国を取り巻く国際情勢は厳しく複雑です。こうした中でも、外交と防衛を車の両輪として、わが国の国益を守り抜きます。防衛力の根幹である自衛官の生活・勤務環境や処遇の改善にも取り組んでいきます。 第2は、日本全体の活力を取り戻すことです。深刻な人口減少という「静かな有事」が起きており、地域の活力、そして経済の活力が低下しています。地方創生2・0を起動し、東京の一極集中を是正し、魅力ある地方と都市が結びつき、多様な国民の幸せが実現できる日本を作っていきます。また、生活が豊かになったと実感できるよう、賃上げや国内での設備投資を後押しし、「賃上げと投資が牽引する成長型経済」 へ移行していきます。将来に向けた安心感を生む社会保障制度に向けても取り組んでいきます。 第3は、治安・防災への更なる対応です。世界有数の災害発生国であるわが国において、いつ起きるかわからない災害にも、最大限の備えをしてまいります。令和8年度中の防災庁設置に向けて着実に準備を進めてまいります。「闇バイト」などの強盗・詐欺被害から、国民の皆さまの生活を守っていきます。 4月からは大阪・関西万博も始まります。多くの方に訪れていただき、未来社会への希望を感じていただきたいと思います。