SUPER GT開幕直前! 職人レースカメラマンが2024年シーズンの見どころを解説
車両火災に見舞われた「ホピ子」がいよいよ復活!
昨年の第4戦富士での火災で残りの参戦を断念していたHOPPY team TSUCHIYA。資金難などの噂も聞こえて来てはいたが、「シン・ホピ子」が富士の公式テストで復活シェイクダウンを行った。 おっさん的には2023年のあの状態を見てしまったら心が複雑骨折して何もできなかったと思うが、先代の父・春雄さんの背中を見て育った武士には現実に背を向けるという選択肢は皆無だったようだ。 そんな武士だからこそ多くのファンや関係者、そして長年応援してくれるスポンサーが見放さなかったのだろう。なんとも嬉しい限りだ。 思い返せば神奈川県でも東大進学率トップの高校を出ておきながら、なんでレーサーなんかになるのよ? って話をしたこともあったが、そのくらい頭が良かったから今があるのだと思う。 環境が環境なだけに父親の仕事を手伝っていれば必然的にエンジニアの知識も付いてきただろうし、1989年にカートレースを始めて以来FJ、F3とステップアップし、2000年には自費でフォーミュラー・ニッポンに参戦してみたり。もちろんスーパーGTの前進である全日本GT選手権にも数多く参戦した経験を基に、エンジニア、ドライバー、そして経営者としての今があるのだろう。 そんな武士が、 「今回の復活は助けて頂いた皆様のおかげ。だからうちのチームだけのクルマではなく、みんなの気持ちを乗せたクルマとして、また『シン・ホピ子』を走らせる船長として自分も頑張っていこうと思っています」 と語っていたのが印象的だった。
往年のレースファンはシビックの走りに期待大!?
ホンダ勢は2023年まで使用してきた「NSX」を、2024年は「シビック タイプR」にスイッチ。シビックは古くはグループAやN1耐久、JTCCなどホンダのレース史では数多くの戦いを繰り広げてきた名車ではある。だが、4枚ドアの(実際にはリアは開かない)GTカーに対しては少々「あれ?」って思ったのはおっさんだけではないと思う。けれども過去にはJTCCで4枚ドアのシビックでレースをしていたのだから、歴史的に考えると決してあってもおかしくないのだ。5月頃には見慣れてくるのではないかと思う。 中身はクラス1規定のものになるので2023年シーズンと同様であると思われるが、ボディ形状がNSXからシビックに変わったことによって空力はどうなのだろうかと興味が湧く。空力的に熟成が進んだトヨタや日産とどのような戦いを繰り広げてくれるのか、岡山の第1戦での結果が楽しみだ。