《韓国で大ヒット》料理対決番組『白と黒のスプーン』は何がスゴいのか?「目隠し審査」「屈辱的な対比構図」など4つの見どころ
見どころ4:絶妙なエンディングと感情を揺さぶるカメラワーク
エンディングは毎回、韓国ドラマさながらの絶妙なタイミングで構成されていて、すぐに次の回を見ずにはいられないつくりになっています。近未来的な壮大なスケールのキッチンスタジオや、緊張感を煽る淡々としたアナウンスが、Netflixシリーズ『イカゲーム』を彷彿とさせ、さらなる闘争心を掻き立てます。 チーム編成にあたっては、途中で仲間を見捨てなければならない残酷なミッションも。カメラは誰が誰をどんな理由で見捨てるか、キャリアと自信とプライドがズタズタに引き裂かれるその瞬間を見逃さずに追います。敗者の背中を勝者の笑顔越しに映し出すカメラワークはお見事です。
コンビニ展開やグラビア特集など放送後も余波続く
放送終了後も本作の話題は続き、「コンビニ飯」のお題で作られた「栗ティラミス」が韓国大手コンビニエンスストアCUから発売され、短期間で売り上げ記録を更新。ファッション誌『COSMOPOLITAN』のグラビアページを飾ったシェフたちもいます。レストラン予約サイト『キャッチテーブル』もメイン画面に「白黒料理人」のタブを設け、出演シェフたちが経営するレストランの予約サービスを開始しましたが、どの店も当分は予約がいっぱいの状況です。
本作を超えられるか?シーズン2制作が決定
早くもシーズン2の制作が決定。Netflixが投じた壮大なマネーパワーと優秀なスタッフが、既にやりつくされた感のある料理対決プログラムに新たな価値を見出し、ここまで面白い人間ドラマが出来上がるのかと、改めて思い知らされました。白黒階級に関係なく、出演者全員の目の輝き、やり切った表情、やり残した表情、負けを認める潔さなど、何度も見返したくなる作品です。 スケールの大きさと息のつけないスリリングな展開に圧倒されて一気にハマれる本作は、年末年始に家族と楽しむ作品としても最適です。 ◆ライター・田名部知子 『冬のソナタ』の時代からK-POP、韓国ドラマを追いかけるオタク記者。女性週刊誌やエンタメ誌を中心に執筆し、取材やプライベートで渡韓回数は100回超え。韓国の食や文化についても発信中。2023年1月から、韓国ソウルで留学生活と人生初めての一人暮らしをスタート。大学が集まる新村(シンチョン)にある西江(ソガン)大学の語学堂に通いながら韓国で就活中。