《韓国で大ヒット》料理対決番組『白と黒のスプーン』は何がスゴいのか?「目隠し審査」「屈辱的な対比構図」など4つの見どころ
見どころ2:韓国料理界の2トップシェフによる審査対決
100人をジャッジする審査員はたった2人。白黒シェフの豪華な顔ぶれに加え、審査員もまた豪華です。国民的料理研究家ペク・ジョンウォン氏は事業家としても成功し、約20のブランドを全世界で展開。もう一人は、韓国唯一のミシュラン三ツ星レストラン『MOSU SEOUL』のオーナーシェフ、アン・ソンジェ氏です。「ひたすら味だけで評価した」という料理界の重鎮ペク氏に対して、「コンセプトと味が意図と合致しているかどうか」を基準に徹底的に辛口審査を貫く若きアン氏が、ときには意見を対立させながらも互いにリスペクトをもって審査を進める過程も見どころです。
見どころ3:緻密に練られた競技形式と心理戦
オープニングで緊張した黒さじシェフたちが1人ずつ会場に入る様子やその緊張感は、さながらK-POPオーディションや恋愛リアリティショーのようです。1回戦では黒さじシェフ80人が一堂にキッチンに入り、白さじシェフと対決できる20席の権利を賭けて、自身が最も得意なひと皿を作り上げます。その様子を高い位置から見下ろす20人の白さじと、必死に戦う80人の黒さじの対比構図が屈辱的で緊迫感を高めます。 勝ち上がった20人の黒さじシェフは、白さじシェフと1対1の対決を迎え、ここで目玉となるのが、2人の審査員が黒いアイマスクで目を隠して行うブラインド審査。ペク・ジョンウォン氏が「おっ、何だこれは?」と驚くシーンは本作の名シーンとなりました。当然のように敗退する黒さじシェフもいれば、下剋上の屈辱を味わされたベテラン白さじシェフの姿もありますが、一流の人間が自分の負けを認める潔さはかっこいいものです。 白黒シェフの個人対決に加え、白黒チーム対決や敗者復活戦、白黒混合チーム戦と形式も多彩で、卑劣とも思われる作戦や、食材を独占して相手チームにプレッシャーを与えるなど回を追うごとに料理だけでなく心理戦も含まれ、経験や人としての器を問われる戦いになっていきます。 特に、白黒階級を超えた仮想レストラン運営のチーム対決は必見。リーダーはぶつかり合うプライドをどう統制するのかが厳しく問われ、マネジメントや経営手腕までもが勝利の鍵となります。 そしてトップ8まで勝ち残った料理人たちに課せられたのは、1つの食材で勝ち続けなければ終わらない過酷な戦いです。それまで常に余裕を見せてきたシェフですらさすがに苦悩し、慌てたり、くたびれたりした表情に引き込まれます。また勝者のコメントからは成功するためのシンプルな本質に気づかされ、涙を誘われます。