『医者にヨボヨボにされない47の心得　医療に賢くかかり、死ぬまで元気に生きる方法』より

私たちは健康でいたいからと、健康診断を受けます。結果、血圧やコレステロールが基準値を超えていたりして、そろそろ薬をと医者から言われます。年齢がいくと健診を受けるたび飲む薬が増えていき、5種類以上になることも。すると高齢者は「転倒」などの割合が一気に上がるだけでなく、「もの忘れ」「うつ」「せん妄」(意識が混乱した状態。)「食欲低下」など副作用が起きやすく、薬がヨボヨボの引き金になります。 【チェックリスト】あなたの「ヨボヨボになりやすい」度を判定！ 残りの人生を楽しんで生きる高齢者が一人でも多くなってほしい、という目的で書かれたのが『医者にヨボヨボにされない47の心得　医療に賢くかかり、死ぬまで元気に生きる方法』です。 今回はそこから、コレステロール、血圧、血糖値を下げるとどうなるか…。自己診断「医者にヨボヨボにされやすいのはこんな人」を解説します。

長生きも大事だがヨボヨボになりたくない

和田秀樹氏

高齢者を長年診ていると、長生きも大事だが、ヨボヨボとか認知症にはなりたくないということをよく聞かされます。 私自身は、ヨボヨボになっても、認知症になっても、人間は人間なのだから生きる価値はあるとは思いますが、確かに自分自身のことを考えると、おいしいものを食べられなくなったり、動けなくなったりしたら、その後の人生は楽しくないだろうなとは想像するので、その気持ちはよくわかります。 現代医学というのは、病気を治すこと、病気を予防することに重点が置かれ、　究極の目標は死亡率を下げることになっています。 たとえば、新型コロナウイルスという病気を予防するためには、なるべく家の外に出ないで、人と接触しないことが大切だとされます。 それによって感染リスクも下がりますし、死亡の確率も下がることでしょう。 しかしながら、このため多くの高齢者は足腰が弱り、認知機能も低下することになりました。 医者にとっては、病気を予防できれば、その人がどんな状態になっても知ったことではないということなのでしょう。