長生きも大事だが「ヨボヨボ」になりたくない人必見！ 健康診断前に知っておきたい大事なコト
コレステロール値を下げると免疫機能も低下
実は、似たようなことが通常の医療で行われています。 たとえば検診でコレステロール値が高いことがわかれば、それを下げる薬を飲むことがすすめられます(強要に近いかたちで)。 確かにそれによって、心筋梗塞のリスクは下がるのですが、コレステロールは男性ホルモン、女性ホルモンの材料なので、コレステロール値を下げると男性ホルモンや女性ホルモンが減って、意欲が落ちたり、ED(勃起不全)になったり、筋肉が落ちたりしますし、女性ホルモンが減ることで骨粗しょう症になって骨がスカスカになったりすることもあります。 心筋梗塞のリスクが下がることにはなっても、ヨボヨボになってしまいかねないのです。 それどころか、コレステロールは免疫細胞の材料でもあるので、免疫機能が落ちて、がんにかかりやすくなったり、インフルエンザなどにかかった際に重症化しやすくなったりします。つまり、死亡リスクも上がってしまうのです。実際、コレステロール値が高い人のほうが、10年くらいの経過を見ると死亡率が低いことも明らかになっています。
医者は患者がヨボヨボしても長生きさせたい
血圧や血糖値についても、下げることで元気がなくなることはめずらしいことではありません。若い人でも低血圧の人は元気がないのですが、実は年をとるほど血管の壁が厚くなるので、血圧が十分にないと脳に酸素が行きわたらなかったり、血糖値が十分でないとブドウ糖が脳に行きわたらなくなったりするので、元気がなくなるのです。 血圧を下げる薬を飲んだからといって、ただちにフラフラするとかだるいというような副作用は起こらないかもしれませんが、薬をやめるとビックリするくらい頭がシャキッとしたとか、動かなかった人が動くようになることは少なくないのです。 実際、血圧や血糖値を下げることで、おそらくは脳卒中や心筋梗塞のリスクは下がるのでしょうが、元気はなくなるし、食べたいものを我慢しないといけなくなるので、心の元気もなくなることはめずらしくありません。 また、日本の場合、がんで亡くなる人と比べて脳卒中や心筋梗塞で亡くなる人はずっと少ないので、本当にこのようなものを下げることが死亡率を下げるのかもわからないし、そのような大規模調査もありません。 世の中には、私も含めてヨボヨボになりたくない人がたくさんいるのに、医者はヨボヨボになっても長生きをさせたいと信じる人がほとんどです。 一方この連載記事は、死ぬ、生きるより、ヨボヨボにならないことを大切にする人にはお役に立てると信じています。 残りの人生、少しでも元気で楽しく生きようではありませんか？ 続きは<あなたの「ヨボヨボになりやすい」度を判定！ 医者にヨボヨボにされやすいのはこんな人！>にて公開中。
和田 秀樹(精神科医)
