がんになったらまず見ておきたいサイトは3つ…診療ガイドライン、標準治療、もし治療法に迷ったら……
「先進医療=上質な治療法」ではない
一方、「先進医療」ということばもよく耳にすると思います。こちらは、ことばの響きから上質な治療を意味する用語だとイメージするかもしれませんが、そうではありません。むしろ、「まだエビデンスが確かではなく、効果や安全性について十分には確認ができていない新しい治療法」を指します。 また、「先進医療」の治療にかかる費用は原則、公的医療保険が適用されず、全額が自己負担となります。厚労省が認める例外はありますが、いずれにしろ、公的医療保険が適用されない治療やサービスを受ける場合は、事前に費用や治療回数、改善の見通しなどの詳細を重々確認してください。不明点は、先述の「がん相談支援センター」に問い合わせましょう。 こうした点を適切に理解しておき、ことばのイメージだけで早とちりや誤解をしないように注意したいものです。 *1 「がん診療ガイドライン」http://www.jsco-cpg.jp *2 「がん情報サービス」https://ganjoho.jp *3 「がん対策基本法」https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=418AC1000000098 写真/shutterstock
---------- 田近亜蘭(たぢか あらん) 1972年大阪市生まれ。京都大学大学院医学研究科健康増進・行動学分野准教授。医学博士。精神科指導医・専門医。精神保健指定医。京都大学大学院医学研究科博士課程医学専攻修了。関西医科大学精神神経科・医局長、京都大学医学部附属病院精神科神経科外来医長などを歴任。『日本うつ病学会診療ガイドライン双極性障害(双極症)2023』『統合失調症薬物治療ガイドライン2022』ともに作成委員。 ----------
田近亜蘭
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