夏の山岳遭難:24年は736人と前年より減少、死者・行方不明者は52人―警察庁まとめ
富士山で初めて入山規制や通行料が導入された2024年の夏山。山の遭難・事故は4年ぶりに減少に転じた。 警察庁がまとめた2024年7~8月の全国の山岳遭難件数は、前年同期比78件減の660件となった。遭難者は同73人減の736人で、うち死者・行方不明者は9人減の52人。昨年は遭難件数、遭難者ともに過去最多を記録したが、今年は微減となった。
都道府県別では長野が最多の116件で、富山64件、静岡62件、北海道46件、山梨39件と続く。このうち静岡、山梨を除く3道県では、遭難件数が前年よりも増えた。遭難者736人を年齢別にみると、70代が166人(22.6%)と最も多く、次いで60代が164人(22.3%)、50代が148人(20.1%)だった。
遭難の原因トップは「転倒」で、遭難者全体の23.0%。次いで「道迷い」19.4%、「滑落」が16.3%など。
一方、7~8月の水難事故発生件数は、前年同期比35件増の488件だった。水難者は同33人増の601人。うち死者・行方不明者は6人増の242人で、中学生以下の子どもは18人。件数、水難者数ともに近年の発生状況は概ね横ばいで推移している。 水難者601人を発生場所別にみると、海が318人(52.9%)、河川が200人(33.3%)。死者・行方不明者242人を発生場所別にみると、海が前年同期比11人増の117人、河川が12人減の88人で、海が増加し、河川が減少した。