【楽天】則本昂大雪辱17セーブ目「自信あった」2日前に抑え失敗も落ち込まず「へこたれない」
<日本ハム2-6楽天>◇23日◇エスコンフィールド 守護神を引きずり出した日本ハムのファンは、1発同点を待っていた。6-2の9回、楽天はターリーが2死満塁を招き、則本昂大投手(33)が上がった。4番レイエスにフルカウント。フォークで空振りを狙う選択肢もあったが、ブレなかった。「自分のベストは真っすぐ。投げきれる自信もあった」。6球目、ちぎれるほど腕を振った。この日最速156キロをゾーンに放り込み、空を切らせた。雄たけびが敵地のため息を切り裂いた。 雪辱の登板になった。2日前の交流戦明け初戦。1点リードの9回から投げ、2死を奪う。3人目、清宮に投ゴロを打たせた。勝った…と思った直後、一塁送球が山なりに高く浮いた。土壇場の悪送球から同点を許し、結局、延長12回で引き分けた。だが、落ち込む暇はなかった。「次の日がデーゲーム。ホテルに着いて、すぐ明日の準備。変わることなく、次の日も練習でやるべきことをやれた」と、ただ次戦に備えた。 周りは心配し声をかけたが、杞憂(きゆう)だったかもしれない。青山投手コーチが「ミスと捉えるか、経験と捉えるかだ」と伝えると「早く同じシチュエーションになって欲しいです」と回答。「この1勝がってなることもある。この先、消えることはない」と苦い過去にも向き合うから、すぐにまたピンチを封じ込められた。 今季17セーブ目で、リーグ戦再開後のチーム初勝利を守った。抑え転向1年目。「与えられた場所で結果を残すだけ。そこは先発も抑えも変わらないです」と表情を変えずに言ったが、最後は「へこたれないと思ってやってます」と笑った。負けない。【古川真弥】 ▽楽天今江監督(則本に)「先日(2日前)のこともあるし、抑えたのはいい自信になって、次もいい形で入っていけると思う。緊迫する場面で気持ちを入れて三振。非常に良かった」 ▽楽天太田(則本の最後の1球を受け)「則本さんの気持ちが勝ったと思います」