牛たん「ねぎし」の幻メニュー「しろかつ」の正体、「罪悪感のないトンカツ」が生まれた背景とは?
■新業態は閉店しても、しろかつは生き残った こうした工夫もあって、新業態「ねぎポ」では狙い通り女性のファン層を獲得。2号店も出して順調に思えたものの、コロナ禍が襲いました。 「コロナ禍となり、新たなことを進める前に、まずねぎしに注力しようということになり、ねぎポはいったん終了しました。ただ、お茶の水にあったねぎポは目と鼻の先にねぎしがあり、後者が古くなっていたんです。そこで、古いねぎしを閉店して、店舗としては新しいねぎポをねぎしに鞍替えし、しろかつもお茶の水店限定で残すことにしました」
すると、ねぎし唯一の揚げ物メニューであり、見た目も珍しいことから徐々にファン層を拡大。お茶の水店以外のねぎしでも、扱う店舗を増やしていきました。今では一番人気で3割ほどの人が注文するという「まるねセット」に次ぐメニュー群の一つとして、しろかつは確固たる地位を築いています。 ここまでの話を聞くと、これからしろかつを扱う店舗が徐々に増えていくのでは、とも感じます。しかし、中山さんは「揚げ物ができるほどスペースのある店舗は限られており、今後も販売する店舗を全店に広げることはないと考えています」とピシャリ。まだまだしろかつはレアメニューとして、ひそかに人気を集め続けることになりそうです。
鬼頭 勇大 :フリーライター・編集者