牛たん「ねぎし」の幻メニュー「しろかつ」の正体、「罪悪感のないトンカツ」が生まれた背景とは?
果たしてどんなメニューなのか。実際に販売している店へ行き、食べてみましょう。 ■あっという間の提供で驚かされる 訪問したのは、赤羽駅前店。駅を出ると目の前にあるビルの4階で営業しています。中へ踏み入れると、奥のテーブル席へ案内されました。 この日は雨ながら、駅前の店舗かつ平日のランチタイムということもあり、座席は7~8割ほどの状況。サラリーマンらしき男性客の他、2人連れでアルコールを楽しんでいる女性客もいるなど、客層はバラエティーに富んでいます。
しろかつがメインテーマといえど、やはりねぎしに来たら牛たんも欠かせません。「しろかつ+網焼きみそポークセット」とともに、3種類の牛たんを味わえる「牛たん3種盛りセット」を注文。揚げ物に厚切りの牛たん、そこそこの客入りということもあってさぞかし提供まで時間がかかるだろうと思っていたところ、あっという間に運ばれてきて驚きました。 まずは牛たんから。店名を冠したまさに代表メニューである、薄切りのねぎしは柔らかくジューシー。提供があまりにも早く驚いたものの、作り置きを出してきたという感じでは一切なく、焼き感も存分に楽しめます。
一方、厚切りのしろたんは厚みの分だけ歯ごたえがありつつも、決して「硬い」わけではなく、適度な弾力。牛たん1本からわずか9枚しか取れない部分を使っているだけあって、より牛たんの滋味を感じます。 打って変わって赤たんのがんこちゃんは、柔らかめなたんの根元であるねぎし・しろたんと違い、よく動く舌先の部位。その分、しろたんよりもさらに歯ごたえがあり、お酒のつまみとしては最も適している部位だと個人的に思いました。
■白い衣、ロゼの肉 トンカツらしからぬ柔らかさ、軽やかさ さて、最高級のオードブルを味わったところで、いよいよメインのしろかつです。皿の上で衣の白、野菜の緑、網焼きみそポークの茶色が素晴らしいコントラストで食欲を誘います。そして何より、ご飯にとろろ、テールスープにお新香がそろっているのもうれしいところ。 まずはからしやレモン、卓上に提供された専用のソースなどを何もつけずに一口食べようとしたところで、びっくり。断面からは衣と好対照に美しいロゼの肉が顔をのぞかせています。牛カツやマグロのレアカツであれば、こうした断面の色は驚きません。しかし、トンカツでこうした色はかなり珍しいのではないでしょうか。