警戒すべきバーレーンのロングボール戦術。ボランチは幅広い役割を的確にこなさなければならない。田中碧は「トランジションを意識することがすごく大事」【日本代表】
「最終的に90分で勝てばいいと思います」
「明日の試合は完全アウェーの難しい戦いになると思いますが、我々が持っている力を最大限出せるように、そして勝利を目ざして戦いたいと思います」 【画像】キュートな新ユニ姿を披露!日本代表戦中継に華を添えた影山優佳を特集! 日本代表の森保一監督が前日会見でこう語ったように、2026年北中米ワールドカップ・アジア最終予選第2戦で現地10日に対戦するバーレーンはかなりの難敵だ。ご存じの通り、彼らは5日にアウェーでオーストラリアに1-0で勝利。勢いに乗っているに違いない。 特に警戒すべき点は、ロングボールを多用してくること。オーストラリア戦もボール支配率は30%と低かったが、粘り強い守備から鋭いカウンターを何本か繰り出していた。 蹴り込みスタイルには、昨冬のアジアカップでも日本は大苦戦した。実際、イラクとイランに苦杯を喫している。競った後のセカンドボールへの対応、中盤のバランス修正など、当時の課題を完全解決できたと判断するのは早計だろう。 加えて言うと、当時は4バックをベースにしていたが、現在は3-4-2-1。2枚のボランチの前に2シャドーがいて、中盤の枚数は増えるものの、最終ラインの人数が減って、競り合いのリスクは上がる。 そこで苦境に陥らないように、ボランチ陣は背後のカバーリングを意識しつつ、中盤の安定化、攻撃陣のサポートなど、幅広い役割を的確にこなさなければならないのだ。 おそらくバーレーン戦はキャプテンの遠藤航(リバプール)と田中碧(リーズ)が先発でコンビを組むと見られる。中国戦でいぶし銀の働きを見せた守田英正(スポルティング)を継続して使うという選択肢もないわけではないが、90分フル稼働した分、疲労の色は濃いはず。ならば、ここは田中を抜擢するタイミングではないか。 「相手が引いてきた時は、ロングボールが増えるといっても自分たちの位置がすごく低くなるわけじゃない。そういう状況で、僕たちがボールを大事にして、トランジションを意識することがすごく大事になると思います。 アウェーだし、1-0で勝っているラスト10分とかになると、相手もシンプルにロングボールを蹴り込んでくるかもしれない。それをどれだけ跳ね返せるか、拾えるかも大切ですね」と、バーレーン戦当日に26歳の誕生日を迎える男は戦い方を冷静に分析する。 そのうえで、攻撃に厚みをもたらし、ゴールという結果を残せれば理想的。思い返してみれば、1年前の25歳の誕生日前日にはドイツ戦(4-1)で1得点。自ら誕生日を祝うという離れ業をやってのけた。重要局面で点が取れるのが田中の良さ。それを迷うことなく発揮することが、チームの勝利を後押しするはずだ。 「去年も1点取れているんで、今年も勝てればいいし、そこで自分がゴールできればなおいいですね。相手もここ(日本戦)で勝点3か1を取れれば、1位や2位抜けが見えてくるだろうし、その分、パワーをかけてくる。気候も暑いですし、焦れずに戦う必要がある。最終的に90分で勝てばいいと思います」と、彼はゲームプランを明確に描いている。