「引っ越しうつ」に「テレワークうつ」...いい変化なのにメンタル不調が起こるのはなぜ? “気分がずーんと沈む”経験をした私が専門医に聞いてみた
日中も気分が塞ぎ、心が沈み切っていた
最初の変化は、気分の沈みでした。気持ちが塞ぎ、ずーんと沈んでいくのです。食欲も落ち、何かをする気力も沸きません。まだモノが少ないガランとした空間が心をざわめかせます。 他にも、好きだったはずの読書ができなくなる、文章が書けなくなるなどの変化が起き始めました。日中もずっと気分が塞いでいて、心が沈み切っているのです。 時間の経過とともに解決しましたが、振り返れば、急激な環境の変化により、心にも相当大きな負荷がかかっていたのだと思います。ストレスになってはいたものの、他人の生活音が聞こえることで孤独を感じずに済んでいた部分も無きにしも非ずだったのですが、急に一人っきりになり、孤独感を感じるようになっていたのかもしれません。また、知らない街の景色は馴染みがなく、部屋も今までと全く違う景色で慣れておらず、心がソワソワしていたのだと思います。 あとで知ったのですが、「引っ越しうつ」「引っ越しブルー」という言葉があるほど、引っ越しによってメンタルが不安定になる人は少なくないようです。住環境の変化って、人間にとっては大きなストレスなんですよね。先ほどの「ライフイベント・ストレス表」でも「住居の変更」は32位にランクインしています。
悲願の独立! のはずが「猛烈な孤独感」に襲われる
二つ目は「独立」です。私は長年専業ライターになることを目指して、ライターと会社で働くことを両立してきました。そして昨年4月、ついに会社を辞め、専業のライターになったのです。会社の仕事との両立は大変で、どちらの仕事にも集中しきれず、しんどい部分も大きかったので、専業になるのは念願、もはや悲願とも言えるものでした。これでやっとひとつ大きな目標が叶う!! そう思ったのも束の間。またしても心の不調が起き始めたのです。 会社を辞めてフリーランス一本になった私は、自宅作業がメインの生活になりました。すると、ほとんど家の外に出ない、誰ともしゃべらない生活になったのです。今までは、会社に行けば同僚がいて、仕事の合間に何気ない世間話をしていました。それがいきなり、誰とも会わない、しゃべらない生活になったのです。そこで襲ってきたのが猛烈な孤独感。あまりに寂しくて、自分でも訳が分からず急に涙が出てくるほどでした。