「ねんきん定期便の見方」お金の教科書Vol.54 #お金の基本
毎日の暮らしや将来に必要なお金のこと、きちんと把握してますか? 「わからない」ゆえの不安は、知ることで解消できるはず! “お金初心者”の3人と一緒に、お金の勉強を始めましょう。「お金の教科書」、今回のテーマは「ねんきん定期便の見方」です。 ねんきん定期便の見方 西山美紀 (にしやま・みき) さん ファイナンシャルプランナー。お金、生き方などをテーマに取材を重ね、日々にうるおいをもたらしてくれるお金の貯め方、使い方を発信中。All About貯蓄ガイド。著書に『お金の増やし方』 (主婦の友社) など。 地道奈子 (じみち・なこ/28歳・派遣社員) 既婚・子なしのDINKS。つみたてNISAは2年前にスタート。貯まったポイントを使った投資など、自分ができる範囲で楽しむのが得意。 見ないで放置してない? ねんきん定期便。 西山:ねんきん定期便、きちんとチェックしていますか? 奈子:毎年送られてきますよね。一応、中身は見るようにしていますが、正直よくわからなくて…。 西山:ねんきん定期便は、将来受け取れる年金をイメージできるもの。毎年誕生月にハガキ版が、35歳、45歳、59歳には封書版が郵送されます。これまでの年金加入実績に応じた将来受け取れる予定の年金額などが読み取れるので、ぜひ見るようにしてください。 奈子:見るべきポイントは? 西山:下にまとめたハガキ裏面の3か所のほか、表面の月別状況を見て、漏れや誤りがないかチェックを。間違いがあれば、最寄りの年金事務所に連絡しましょう。 奈子:ちゃんと見ないとですね…。 西山:気になる年金額ですが、50歳未満の場合、加入実績に応じた受取予定額の年額しかわかりません。なので「少ない! ?」と感じるかもしれませんが、保険料を納め続けているとちゃんと増えますよ。 奈子:安心しました (笑) 。でも、これだと老後のお金のことを明確にはイメージしづらいような…。 西山:確かにそうですね。そんなときは「公的年金シミュレーター」というサイトがおすすめです。 奈子:そんなサイトが! ? 西山:必要事項を入力すると、手軽に年金見込み額の年額を試算できます。また、今後もし年収に増減があった場合、受け取る年金がどれくらい上下するのかもわかるので将来設計がしやすくなるはず。 奈子:たしかに、もし転職や出産などで働き方が変わったら、年金にも影響が出ますよね…。 西山:それ以外にも、就労完了年齢を変更したり、年金の受給開始年齢を遅めたり、早めたりした場合の金額をシミュレーションできるので、より具体的に老後のお金のことを考えられると思います。 老後に備えて、年金を増やす努力も。 奈子:ふむ…。こうやって見ると、働き方によって年金額が大きく変わるのがリアルにわかりますね。 西山:そうなんです。老後資金として足りないと感じたら、早いうちから備えることも大切です。 奈子:やっぱり投資ですか! ? 西山:iDeCoなどを活用して老後資金を積み立てるのも一案。あとは働き方を見直して収入を上げる工夫をする、パートでも厚生年金に加入する、フリーランスの場合は国民年金基金や小規模企業共済に加入するなどでしょうか。 奈子:年金のことをちゃんと把握しつつ、自分でも備える姿勢、重要ですね。がんばります! ねんきん定期便が届いたらここをチェック! 令和7年度「ねんきん定期便」50歳未満 (裏面) 1、保険料納付額 これまでに納めた国民年金保険料のほか、厚生年金保険料の自己負担分の累計額。自分が総額でいくら納めているか知ることができる。 2、年金加入期間 上段は国民年金の加入期間 (学生、自営業など) で、下段は厚生年金の加入期間 (会社員の期間) 。月数に間違いがないか確認を。受給資格期間が120月以上なら、原則として老齢年金を受給できる。 3、加入実績に応じた年金額 現時点での加入実績に応じた見込み額 (年額) 。 (1) は国民年金、 (2) は厚生年金で、最下段には総額が記載されている。50歳未満の場合、今後働き続けて保険料を納めていけば、この金額は増えていく。 老後に必要なお金を考える重要なきっかけと捉えて、ねんきん定期便を有効活用しよう! ねんきん定期便で現状を把握し、公的年金シミュレーターで将来の年金額を試算したうえで、自分でも備える姿勢を忘れずに。 次回は、2420号 (10月30日発売) 掲載予定です! ※『anan』2024年10月23日号より。イラスト・小迎裕美子 取材、文・宮尾仁美 (by anan編集部) あわせて読みたいanannewsLifestyle 老後2000万円では少ない! ? 年代別、今すぐやるべき“お金”に関する備…2022.4.21anannewsLifestyle スマホ代に月5000円以上払っているなら見直しを! 今日から実践できる“…2024.4.20anannewsLifestyle 初心者にもわかりやすい! お金のプロおすすめ、“投資”の知識が深まる本6…2023.5.22anannewsLifestyle 実際どれくらい節税できるの? anan世代向け、所得控除の対象項目5つを…2023.5.21anannewsEntame 日本は“お金の教育”が足りない…「老後の資金問題」を解説2019.9.4