都市部沿岸の海底走る活断層 “危険度最高ランク” 「能登半島地震と似た津波のおそれ」と専門家 「西日本は南海トラフ地震直前の“地震活動期”」 足元に潜むリスクとは【全国の活断層(Sランク)一覧】
■活断層が未確認でも 地震活動が活発なエリア さらに、中国地方では、活断層が確認されなくても、地震活動が活発なエリアがあるといいます。それが山陰から広島県北部にかけての地域です。 京都大学防災研究所地震災害研究センター 西村卓也 教授 「活断層で大きい地震が起こるのは事実なんですけど、大きい地震が起こる所にすべて活断層があるというわけではどうもないようで、特に山陰から広島県北部にかけての地域は、どうも地震活動とかGPSでみるとひずみがたまりやすいことがわかっている。」 「こういう状況が、過去にわたってずっと長い間続いているとその地域に活断層が明瞭にできてくるが、まだこの地域では、地質学的な時間スケールでは、最近そういった現象が起こり始めているところで、まだ十分に活断層として認識されるほどの変動が蓄積してないのではという考え方もできる。 まだ活断層としては明瞭ではないけれども、実際地下の動きとしては、ある程度活動的な地域になっていると捉えています。マグニチュード6クラスの地震は、広島の北部から島根県にかけてだいたい20~30年に一回くらい起こっている。」 ■最近400年で7回発生 瀬戸内海震源の「プレート内地震」 もう一つ、中国地方の地震活動を考える上で忘れてはいけない地震があります。安芸灘から伊予灘、豊後水道にかけての瀬戸内海を震源とする地震です。沈み込むプレート内のやや深いところで起こり、2001年に起きた「芸予地震」などと同じタイプです。過去400年間で7回発生し、繰り返し大きな被害をもたらしています。 京都大学防災研究所地震災害研究センター 西村卓也 教授 「歴史的にプレート内地震、芸予地震のようなタイプがいつ起こったのかは過去400年くらいにわたって調べられている。その記録をみる限り、南海トラフ地震の発生時期と明瞭な関係はなく、ほぼ関係なく起こっているというように見えています。 ただ距離的には南海トラフとの距離は、内陸地震で活動期といわれている距離とほとんど同じくらい、むしろ近いくらいの距離関係・位置関係にある。理論的には影響があってもおかしくないなというようには思っている。まだそこは研究が進められていないところですね。」