都市部沿岸の海底走る活断層 “危険度最高ランク” 「能登半島地震と似た津波のおそれ」と専門家 「西日本は南海トラフ地震直前の“地震活動期”」 足元に潜むリスクとは【全国の活断層(Sランク)一覧】
■「すでに西日本は南海トラフ地震発生前の地震活動期」 西村教授は、近畿をはじめ、中国、四国、九州などの西日本各地は、すでに「南海トラフ地震発生前の『地震活動期』にある」と指摘します。 京都大学防災研究所地震災害研究センター 西村卓也 教授 「南海トラフ地震の前後に西日本の内陸地震が活発化する傾向は色々と知られていて、ある程度、モデル的な計算からもシミュレーションで傾向を再現することも可能ですが、1944年・46年の南海トラフ地震のあと、西日本の内陸地震はかなり静かな状況が続いていた。福井地震とかいくつか例外はありますけど、1950年代から1980年代までは大きな内陸地震はほとんどなかった。」 京都大学防災研究所地震災害研究センター 西村卓也 教授 「やはり1995年の阪神淡路大震災以降、鳥取県中部地震(2000年・M7.3)とか、熊本地震(2016年・M7.3 )など大きい地震があったりして、地震活動が増えている状況があります。そういう状況は、次の南海トラフ地震が数十年後とか言われていますが、それまで続いていくんだろうと思います。」 前回の昭和時代に起きた南海トラフの地震でも、その発生前には西日本各地で大きな内陸地震が相次いで発生しました。 ■活断層危険度ランク2024年版を発表 内陸地震を引き起こす活断層は、全国におよそ2000あるとされています。政府の地震本部では、長さが20キロを超えるような活断層について、今後30年以内に地震が発生する確率など評価して、毎年発表しています。 現状の最新評価は1月15日に発表されたものです。全国にある114の活断層について危険度を4つのランクに分けて評価しています。最も危険度が高い「Sランク」は全国に31あります。 Sランクの活断層 北海道 「サロベツ断層帯」 「黒松内低地断層帯」 山形 「新庄盆地断層帯」一部 「山形盆地断層帯」一部 「庄内平野東縁断層帯」一部 新潟 「櫛形山脈断層帯」 「高田平野断層帯」一部 「十日町断層帯」一部 富山 「礪波平野断層帯・呉羽山断層帯」一部 石川 「森本・富樫断層帯」 神奈川・静岡 「塩沢断層帯」 三浦半島(神奈川)と周辺海域 「三浦半島断層群」一部 長野・山梨 「糸魚川ー静岡構造線断層帯」一部 長野 「境峠・神谷断層帯」一部 長野・岐阜 「木曽山脈西縁断層帯」一部 静岡 「富士川河口断層帯」一部 岐阜 「高山・大原断層帯」一部 岐阜・長野 「阿寺断層帯」一部 滋賀 「琵琶湖西岸断層帯」一部 京都・奈良 「奈良盆地東縁断層帯」 大阪 「上町断層帯」 奈良~和歌山~淡路島(兵庫)~四国北部~大分 「中央構造線断層帯」一部 広島・山口の沖合 「安芸灘断層帯」 山口・大分の間の海底 「周防灘断層帯」一部 山口 「菊川断層帯」一部 島根 「宍道(鹿島)断層」 「弥栄断層」 福岡 「福智山断層帯」 玄界灘~福岡平野 「警固断層帯」一部 熊本 「日奈久断層帯」一部 長崎 「雲仙断層群」一部