大阪ブルテオンが取り組んだ経営陣とファンを繋げる場 事業や経営も理解してもらいたいという思い
経営面で目指している数字
そして久保田代表が経営面の説明で再び登壇し、目指している指標を示した。 「我々の目指すところとして、まず経営のいわば自立化。1つの目安として、(投影した資料には収益の内訳を表した円グラフがあって)25%くらいがいわゆる外部収入。もっとはっきり言うと、パナソニック以外から収益を上げている。それを、事業、チーム力を上げながら、2030年ぐらいまでに半分くらいを外部収入で上げられるようにしていきたい」 実業団チームからクラブチームに生まれ変わっても、メインの収益源が実業団時代の親会社や関連会社が引き続きスポンサー料を払っているというのは日本のスポーツチームではよくある。それではいつまでもチームの運営規模が発展していかないのは自明の理。だからこそ、その第一歩として重要になるのがアリーナ。 「アリーナの問題は欠かせない。まだ詳しく言えるような段階ではないけれども、必ず皆さんに楽しんでいただけるようなアリーナを作りたいと夢に思っている」(久保田代表) この他にも25分ほどの限られた時間で、ファンたちにあらゆる想いを伝えていった。そして最後に、久保田代表は「バレーボールは他の競技に比べて、本当に世界が狙えると思っている。ファンの皆さんと共に世界一を目指していきたいと思います」と締め括った。 上場企業が株主、投資機関、メディア向けに決算会見や事業説明会を開くことは一般的なことだが、いちバレーボールチームが具体的な数字を出して、ファンの前で説明を行うのは極めて珍しい、あるいはバレーボールチームでは初めてだったかもしれない。バスケBリーグやサッカーJリーグではメディア向け記者会見であったり、ファンイベントでそれらを発表することはあるが、バレーではなかなか見ない。 「バレーボールはチャンスがある」と常々話す久保田剛社長は、就任以来、積極的にビジネス回り、事業面で新たに取り組んでいると同時に「ファンの理解を得てもらうためにも、もっと発信する必要を感じる」とも話していた。 だからこそ、「大阪ブルテオンが何をしようとしているのか」をファン自身が見て聞いて、知ることができる今回の新体制発表会は、新鮮だったのではないだろうか。
大塚淳史