今年のハースF1は一味違う。小松礼雄代表の新体制で進められるチーム改革、カギは“コミュニケーション”にあり
■鍵はハースのコミュニケーション改善
ハースの様々な重要人物に話を聞くと、異なる拠点や部門間のコミュニケーション改善は、2023年シーズンに見られた堂々巡りではなく、チームがマシンのプロジェクトをより優位に進めている理由だという。 motorsport.comがハースのコミュニケーション改善についてデ・ゾルドに尋ねると、次のように答えた。 「ポジティブな意味で、大きな変化のひとつだと思う」 「我々は問題についてオープンに話し合っている。何か上手くいかないことがあれば、その問題をより客観的にとらえ、理解し、受け入れ、そこからより良いモノを作り上げようとしている」 現在、異なるパフォーマンス部門をつなぐ、より包括的な役割を担うブレイショーは、進化の過程で痛みを伴うと認めつつも、ファクトリー全体の情報の流れが改善されたことで、既に目に見えるメリットがもたらされたと感じている。 「もちろん、まだ日は浅いし、技術的な構造も大きく変わった」とブレイショーは言う。 「我々はまだ、どのようにすれば上手くいくのか、みんながお互いを知り合うことができるのか、把握しようとしているところだ。しかし他部門との効果的なコミュニケーションには大きな焦点が当てられている」 「小さなことのように聞こえるが、実はとても大きなことなんだ。信頼関係を築くこともね」 「以前よりも定期的にイタリアに来るようになったし、そこに行って活動をサポートし、何が足かせになっているのかを明確にする必要があった」 今季のハースVF-24はレースでもコンスタントなペースを刻めるようになったため、チームはマシン本来のパフォーマンスを引き出すことができるようになり、開幕からRBと互角にポイント争いを展開してきた。 中団グループの開発競争の中でRBは一歩前進。小松代表は、ドライバーのニコ・ヒュルケンベルグとケビン・マグヌッセンがついていけるよう、積極的なアップデート投入を求めている。 「アヤオは、積極的にマシンを開発することを求めている。全チームが進歩しているからね」とブレイショーは語った。 「ザウバーとアルピーヌに先行できているのはとても幸運だが、タイトな状況であることを考えると、(順位が)このままであるという保証はない」 「効率的なマシンを手に入れたことは、冬の間、本当にポジティブなステップだった。それを失うことなく、強化していくことが重要だ」 「今年に入ってから一貫してバランスに限界があり、ドライバーは我々が取り組むべきことをハッキリと話してくれだ。だから、その問題も解決しようとしている」 「今後数戦のうちに、またそれなりに大きなアップデートがあるはずだ」 そしてブレイショーは次のように締めくくった。 「説明責任を果たすということでもある。マシンが機能していないのであれば、誰かがその質問に答えなければならない。でも、この問題を解決するために我々がやろうとしていることも同じように示さなければならない。私がやろうとしていることは、そういうことだ」
Filip Cleeren