ドラゴンズ田島慎二、涙で始まり涙で終えた現役生活 家族、チームメイト、ファン…への感謝を通して振り返る
涙で始まり涙で終えた現役生活を語り、振り返る
田島投手:「まず伝えたのは大野(大野雄大投手)さんと祖父江(祖父江大輔投手)さんだったのですけど、やっぱあの二人には電話じゃなくて直接伝えなきゃってなって。」 涙ながらに、引退の報告をしたことを伝えた田島投手。思い起こせば、ドラフト指名直後も涙とともに溢れる気持ちを伝えていた。ドラゴンズ入団時には嬉し泣きとともにこうコメントした。 田島投手:「本当に携わってくれた人に感謝しかないです。」 そうして、2012年にドラフト3位で入団した田島投手。2013年の3月31日、初登板の機会はすぐに訪れた。 田島投手:「初登板での初球はサインミスをして、キャッチャーの谷繁さんに睨まれたのをすごく覚えている。」 一年目は56試合5勝3敗30ホールド防御率1.15と初年度から実績を残し、ドラゴンズのブルペンに欠かせない存在として存在感を増していった。2016年には、当時のプロ野球記録となる31試合連続無失点を刻んだ。 田島投手:「自分がある程度狙ったことができた年だったのかなと思いますし。周りの人に助けられて達成できたことだった。僕が残したランナーも岩瀬さんに抑えてもらったこともあったし、周りで助け合ってやれているんだなと感じた。」 翌2017年には、クローザーを任されて34セーブをあげ、『タジ魔神』と呼ばれるようになった。しかし、プロ入り6年間で334登板と登板過多の影響もあったか、徐々に二軍で調整する時間が増えていった。そして2020年には左肘のトミー・ジョン手術も行った。それでも、一年のリハビリ期間を乗り越えて、マウンドに帰ってきた。 田島投手:「初めてあんな緊張したんじゃないかなっていうぐらい、投球内容を投げ終わった後に思い出せないくらい緊張して投げた。」 『勝負の年』として臨んだ今シーズン。6月に一軍昇格を果たすも、一つもアウトが取れずに降板し登録を抹消。この時に現役引退を決意した。 田島投手:「本当にドラゴンズファンの声援はすごい。僕自身も子どもの頃何度もドームに来て、応援席でメガホンを叩いて、一緒に応援歌を歌っていたんですけど。自分がグラウンドに立つ立場になってこんなに力になるとは思わなかった。13年間やってこられたのは、ファンの方々のおかげだと思いますので、本当に感謝を伝えたいと思います。ありがとうございました。」 そして、10月5日最後の登板は、共に戦った元チームメイトの京田陽太選手から空振り三振を奪って幕を下ろした。 田島投手:「名古屋で生まれ、名古屋で育ち、野球を知り、野球を通じてたくさんの方々に出会い、僕は成長できたと思います。本当にありがとうございます。」 球団歴代10位の通算462試合に出場し、25勝41敗75セーブ117ホールド防御率3.62と立派な成績を残した。入団以降Aクラスが一度きりという、チームとしては厳しい状況の中、田島投手は堂々とした力強いピッチングで一筋の光を見せてくれていた。涙ながらに入団したドラゴンズの歴史に名を残す選手の一人となった。 田島投手:「もう本当にありがたいです。13年間ファンの皆さんがいたからやれたと思います。すごい力になりました。これからもどのような場かわかりませんが、恩返しができるように頑張りたいです。お会いしたら声をかけてください!また応援して下さい!ありがとうございました。」 屈託のない言葉に、田島投手自身悔いなくやり切った明るさが見られた。きっと思い残すことは、チームが優勝を掴むことだけだろう。ともに汗を流して、支え合ってきた仲間が、田島投手の積み重ねたものがまだ残るうちに、優勝という大きな喜びにつなげて、また田島投手を大号泣させてほしい。頑張れドラゴンズ!本当にありがとう田島投手! 澤村桃
CBCテレビ